4. 株の損失は配当とも差し引ける?申告分離課税を選んだ配当なら対象で、同じ年の配当5万円なら約1万157円少なくなる

株の損失は、売った年の上場株式等の配当とも損益通算できます。ただし、No.1331によると、配当を確定申告するときに総合課税を選んだ場合は、上場株式等の譲渡損失との損益通算はできません。

  • 【申告分離課税を選んだ配当】株の損失と損益通算できる(配当控除はなし)
  • 【総合課税を選んだ配当】株の損失と損益通算できない(配当控除はあり)
  • 【確定申告をしない配当】株の損失と損益通算できない
  • 【同じ年の配当5万円と損益通算した場合】税金は約1万157円少なくなる

なお、No.1476によると、源泉徴収ありの特定口座に配当を受け入れている場合は、その口座の中の損失を差し引いたうえで源泉徴収されます。この口座の損失を確定申告するときは、その口座に受け入れた配当も、あわせて申告しなければなりません。

※試算の前提:配当5万円は、源泉徴収ありの特定口座の外で受け取った上場株式等の配当で、申告分離課税を選び、同じ年の株の損失がそれ以上あるものとしています。税率は20.315%です。

5. 株の損失がNISA口座で出たら?非課税口座(NISA)の損失は損益通算も繰越控除もできない

No.1474の注書きでは、非課税口座(NISA)と未成年者口座(ジュニアNISA)の中の上場株式等を売って出た損失は、損益通算も繰越控除もできないとされています。

NISA口座の株の損失は、特定口座の譲渡益や配当とは差し引けません。この記事の試算は、特定口座など課税口座で出た損失を前提にしています。

6. 株の損失を確定申告するときに確かめたい点は?住民税も所得税と同じ課税方式になり、合計所得金額には繰越控除の前の金額が含まれる

横浜市「住民税税制改正のお知らせ(令和6年度実施分)」によると、令和6年度課税分から、上場株式等の配当所得等と譲渡所得等は、所得税で選んだ課税方式が住民税にも適用されることになりました。それまでは所得税と住民税で異なる課税方式を選ぶことができました。

目黒区「上場株式等に係る配当所得等および譲渡所得等の個人住民税の課税方式の選択」でも、令和6年度分以降は、損益通算と繰越控除の適用要件も所得税と一致すると説明しています。住民税だけ申告不要にする、といった選び方はできない扱いです。

もう1つ確かめておきたいのが、合計所得金額への影響です。No.1331の表によると、申告分離課税を選んだ配当は、扶養控除などの判定に使う合計所得金額に含まれます。繰越控除を受けている場合、合計所得金額は繰越控除を適用する前の金額になると注記されています。

  • 【確定申告をしない配当・譲渡所得等】合計所得金額に含まれない
  • 【確定申告をした配当・譲渡所得等】合計所得金額に含まれる
  • 【繰越控除を受けている年】合計所得金額は繰越控除を適用する前の金額

確定申告をすると、配偶者や親族の扶養の判定などに関わる場合があります。申告する前に、扶養に入っている・入れている家族がいるかもあわせて確かめておきたいところです。