4. 公務員の退職金は民間とどう比べる?勤続20年以上の比較で公務約2407万円、民間約2406万円の差は0.06%、民間は半分以上が企業年金

公務員の年収とは別に、退職金も生涯の大きな部分です。退職給付は毎年の勧告とは別に、民間企業の退職金と企業年金の調査をもとに比べられています。人事院「令和3年度 年次報告書」によると、直近の比較の条件と結果は次のとおりです。

  • 【比べる人】勤続20年以上で退職した、行政職俸給表(一)の職員と、民間の事務・技術関係職種の常勤従業員
  • 【比べる退職事由】公務の定年退職と民間の定年退職、公務の応募認定退職と民間の会社都合退職
  • 【民間の対象】企業規模50人以上の民間企業から選んだ7562社のうち、回答があった3677社
  • 【公務】2407.0万円(退職手当2185.0万円+共済年金給付現価額222.0万円)
  • 【民間】2405.5万円(退職一時金1148.0万円+企業年金現価額1257.5万円)

差は公務が1.5万円(0.06%)上回る程度で、人事院は令和4年4月21日にこの結果を内閣総理大臣と財務大臣に示しました。ただし、中身の構成は大きく違います。公務は約90.8%が退職手当(一時金)なのに対し、民間は約52.3%が企業年金でした。

例)勤続20年以上で退職した場合 退職給付の官民比較と、一時金・年金の内訳1/1

例)勤続20年以上で退職した場合 退職給付の官民比較と、一時金・年金の内訳

出所:人事院「令和3年度 年次報告書」をもとにLIMO編集部作成

※割合は、公務・民間それぞれの1人当たり平均額に占める退職手当・企業年金現価額の割合を計算したものです。比較は国家公務員の人員数の重みを用いたラスパイレス比較です。

5. 公務員の60歳以降の給与は?定年は令和13年4月に65歳へ、60歳を超えると俸給は60歳前の7割水準

民間の生涯賃金では61歳以降が約17.2%を占めていました。公務員の生涯を見るときも、60歳以降の働き方が関わります。人事院の「定年・役職定年・再任用」「定年の段階的引上げ(令和5年4月1日~)に係る経緯」によると、しくみは次のとおりです。

  • 【定年】令和5年4月から2年に1歳ずつ引き上げ(令和5年4月は原則61歳)、令和13年4月に65歳
  • 【60歳を超えた給与】民間の実情などを踏まえ、当分の間、60歳超の職員の給与を60歳前の7割水準に設定
  • 【役職定年】管理監督職の職員は、60歳に達した後の最初の4月1日までに、管理監督職以外の官職へ降任などをする

人事院の「各種調査等の詳細結果」(令和8年国家公務員給与等実態調査)によると、行政職俸給表(一)の大学卒で経験年数35年以上の職員の平均俸給額は42万4784円です。仮にこの額が7割水準になると、俸給は月約29.7万円で、月約12.7万円下がる計算です。

※試算の前提:令和8年4月1日現在の平均俸給額に0.7をかけた額です。地域手当などの手当は含めていません。実際の俸給月額は、級や号俸などによって決まります。

60歳以降の給与も民間と比べられています。令和8年の勧告の別表第5では、再任用職員の平均給与月額(係長級30.8万円など)と、民間の60〜64歳のフルタイム勤務の再雇用者(同33.4万円など)が並べられています。