5. 修理代を自分の車両保険で受け取るなら?車両保険金額が上限で、時価額を超える修理代を補う仕組みは保険会社で違う
自分の車両保険を使えば、相手との話し合いを待たずに修理代を受け取れます。ただし、払われるのは契約で決めた車両保険金額までです。東京海上日動の案内では、修理代が車両保険金額以上になると「全損」とされ(保険金額が50万円未満で、1年以内に修理する場合を除く)、全損以外は修理代から免責金額(自己負担額)を引いた額を、保険金額を限度に払うとされています。
車両保険金額が時価額と同じ程度だと、車両保険だけでは差額は埋まりません。時価額を超える修理代を補う仕組みは、会社によって違います。
- 【東京海上日動】車両保険金額が50万円未満で、修理代が保険金額以上でも1年以内に修理した場合は、修理代から免責金額を引いた額を50万円まで払う(限度額引上げ払。不適用の特約を付けた契約は対象外)
- 【三井住友海上】任意で付ける「車両全損時復旧費用特約」で、車両保険金額の2倍か、保険金額に100万円を足した額の低いほうまで(初度登録から61か月を超え、保険金額が新車保険価額の50%未満などの条件あり)
仮に車両保険金額15万円・免責金額0円とすると、Bの修理代約33.8万円は、東京海上日動の限度額引上げ払なら全額、三井住友海上の特約なら30万円まで(自己負担約3.8万円)です。Cの修理代100万円では、それぞれ50万円・30万円までになります。
相手の賠償と自分の車両保険から、同じ修理代を二重に受け取ることはできません。車両保険を使うと、翌年からの等級・保険料に影響することがあります(相手の車と運転者などが確認できる無過失の事故は等級に数えない特約を、自動でセットしている会社もあります)。
6. 時価額の提示に納得できないときは?根拠と特約の有無を確かめてから、修理するかを決める
相手の保険会社から時価額を示されたら、まず次の3点を確かめておきたいところです。
- 【時価額の根拠】同じ車種・年式・型、同程度の走行距離の車の中古車市場の価格をもとにしているか
- 【相手の特約】対物超過修理費用特約が付いているか、修理の期限はいつまでか
- 【自分の保険】車両保険金額・免責金額と、時価額を超える修理代を補う規定や特約があるか
特約の多くは「修理すること」が条件で、期限もあります。修理するか買い替えるかを決める前に確かめておくと、使えたはずの補償を逃さずに済みます。
話し合いがまとまらないときは、加入している保険会社・代理店のほか、損害保険の苦情や紛争を扱う日本損害保険協会の「そんぽADRセンター」、自動車事故の損害賠償の和解のあっせんを無料で行う「交通事故紛争処理センター」、法的なトラブルの相談窓口を案内する「法テラス」に相談できます。