3. 修理代と時価額の差は埋まる?相手の対物超過修理費用特約なら、大手損保3社の案内では差額を1事故1台50万円まで補う

修理代が時価額を超えた分を補うのが、相手が入っている自動車保険の「対物超過修理費用特約」(会社によって名称が違います)です。保険会社3社の案内をまとめると、次のとおりです。

  • 【上限】1事故につき相手の車1台あたり50万円(東京海上日動火災保険・三井住友海上火災保険・あいおいニッセイ同和損害保険)
  • 【支払額】時価額を超える修理代の差額×相手(特約の契約者)の過失割合。過失10対0なら差額の全額が対象
  • 【条件】対物賠償保険金が支払われる事故で、実際に修理すること。東京海上日動・三井住友海上の案内では、事故の翌日から6か月以内に修理することが条件
  • 【付いているか】東京海上日動の案内では、対物賠償責任保険を契約すると自動でセット(二輪車・原付は外せる場合あり)。付いているかは相手の契約しだい

特約は相手の契約に付くものなので、被害を受けた側が選ぶことはできません。修理する前に、相手の保険会社に「対物超過修理費用特約が付いているか」「使える条件は何か」を確かめておくと、修理を進めるかどうかを決めやすくなります。

4. 修理代と時価額の3つの組み合わせでは?相手に特約があれば自己負担は0円〜35万円、なければ0円〜85万円

過失10対0の事故で、修理代と時価額の組み合わせごとに、相手から受け取れる額と自己負担を試算すると、次のようになります。

  • 【A:修理代約33.8万円・時価額40万円】相手の賠償で約33.8万円の全額。自己負担0円
  • 【B:修理代約33.8万円・時価額15万円】相手の賠償は15万円。特約がなければ自己負担約18.8万円、特約があれば差額約18.8万円が補われ自己負担0円
  • 【C:修理代100万円・時価額15万円】相手の賠償は15万円。特約がなければ自己負担85万円、特約があっても上乗せは50万円までで自己負担35万円

※試算の前提:修理代約33.8万円は、損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2025年度版」第27表の対物賠償の修理費(部品費・工賃・塗装費・その他。2024年度)の1件あたり平均です。修理代100万円は、特約の上限50万円を超える差が出る例として置いた仮の値です。

※時価額40万円・15万円は、車種・年式・走行距離で大きく変わるため、説明のために置いた仮の値です。買替えの諸費用は車によって違うため含めていません。特約は、事故の翌日から6か月以内に修理した場合としています。

同じ修理代約33.8万円でも、時価額が40万円か15万円かで、相手の特約が要るかどうかが分かれます。修理代が大きく、差額が50万円を超えると、特約があっても自己負担が残ります。