6. 【元FP会社スタッフの視点】検証:保証の有無は「支払総額」と並べて比べ、保証なしを選ぶなら修理の備えを家計に置いておく
中古車の保証の有無は、故障したときに「誰が、どの範囲で修理代を負担するか」を先に決めておくものといえます。保証付きは、保証の費用を車両価格に含めて先に払い、保証の範囲の故障に備える形です。
保証なしの現状販売は、その分の費用を払わない代わりに、故障したときは契約不適合にあたるかを販売店と話し合うことになります。裁判所の手数料は請求額60万円でも数千円ですが、書類をそろえ、通知し、話し合う時間と手間がかかります。
家計の見通しを立てる立場から見ると、比べるときは車両価格だけでなく、「支払総額」と「保証付き/保証なし」「定期点検整備付き/なし」の表示を並べて見ることが、知っておきたい点です。同じ支払総額でも、保証や整備が含まれているかで中身が違うためです。
保証なしの車を選ぶ場合は、車検の有効期限や整備が必要な箇所の表示を見て、修理に回せるお金を家計の予備費として別に置いておくと、故障したときにあわてずにすみます。
中古車は1台ごとに状態が違う商品です。本体の価格より先に「あとから何にお金がかかりうるか」を、表示と書面で確かめてから選びたいところです。
7. まとめ
中古車の現状販売でも、引き渡された車が契約の内容に合わないときは、修理・代金の減額・損害賠償・契約の解除を求められる場合があります。販売店の損害賠償の責任を全部なくす特約は消費者契約法8条で無効となりえますが、修理や減額を含めてどこまで求められるかは、表示や書面、説明の内容で変わります。
故障に気づいたら、不適合を知ってから1年以内に販売店へ伝え、記録を残しておきましょう。話し合いでまとまらないときは、消費生活センター(消費者ホットライン188)に相談できます。表示のルールについては自動車公正取引協議会、法律の手続きについては法テラス(日本司法支援センター)も相談先になります。
※本記事の内容は、2026年10月29日時点の法令・公表資料にもとづく一般的な説明で、個別の契約での結論を示すものではありません。手数料は請求額と申し立ての方法による額です。民事調停では別に郵便料(裁判所ごとに異なります)が必要で、少額訴訟の手数料には郵便費用が含まれます。最新の情報は各機関の窓口でご確認ください。
参考資料
- e-Gov法令検索「民法」
- e-Gov法令検索「消費者契約法」
- 自動車公正取引協議会「中古車の価格は、10月1日から「支払総額」に変わります」
- 国民生活センター「中古自動車」
- 裁判所「手数料額早見表」
- 裁判所「少額訴訟」
- 消費者庁「特定商取引法ガイド 訪問販売」
下村 美乃莉