4. 中古車の現状販売と保証付き、故障したときの違いは?保証付きは保証書の範囲で修理、現状販売は不適合を示して求め、話し合いでまとまらなければ請求額10万〜60万円で調停の手数料は500円〜3000円
中古車の現状販売と保証付きでは、故障したときの進め方が次のように変わります。保証付きと保証なしの車両価格の差は、車ごとに違い、公表された平均の値はないため、ここでは手続きと費用の出方を比べます。
- 【保証付き】保証の費用は車両価格に含まれて表示される。故障が保証書の内容・期間・走行距離数の範囲なら、保証書の手続きで修理を受けられる。範囲の外は保証の対象外
- 【現状販売(保証なし)】故障が契約の内容に合わないこと(契約不適合)を、販売店との話し合いで示して修理や減額を求める。不適合を知ってから1年以内の通知が必要
話し合いでまとまらないときは、消費生活センターに相談するほか、裁判所の民事調停(話し合いの手続き)や、60万円以下の金銭の支払いを求める少額訴訟(原則1回の審理)を使う方法があります。申し立てるときに納める手数料は、請求額によって次のとおりです。
- 【請求額10万円】民事調停 500円/少額訴訟 3500円(電子で申し立てる場合は2400円)
- 【請求額30万円】民事調停 1500円/少額訴訟 5500円(同4400円)
- 【請求額60万円】民事調停 3000円/少額訴訟 8500円(同7400円)
※比べ方の前提:請求額は、10万円、30万円、少額訴訟で求められる上限の60万円の3つで置いています。手数料は裁判所「手数料額早見表」(令和8年9月15日改訂)の「民事調停の申立て」と、「訴えの提起」の民事訴訟(書面申立て・電子申立て)の額で、相手が1社の場合です。民事調停では、手数料のほかに書類を送るための郵便料(保管金または郵便切手)が必要で、その額は裁判所ごとに異なります。少額訴訟(令和8年5月21日以降に提起する事件)では、郵便費用が申立手数料に含まれ、別に納める必要はありません。
5. 中古車の現状販売で故障に気づいたら?まず確かめる3つの書類と、販売店への伝え方
中古車の現状販売で故障に気づいたら、販売店に連絡する前に、買ったときの条件が分かる書類を手元にそろえておくと、話し合いを進めやすくなります。
- 【注文書・契約書】「現状販売」「保証なし」などの特約が、どの範囲の責任について書かれているか
- 【店頭やWebの表示】支払総額、保証の有無、定期点検整備の有無、修復歴、走行距離数。広告の画面やプライスボードの写真があれば残しておく
- 【車の状態を書いた書面】整備が必要な箇所として、購入前に示されていた内容
販売店には、故障に気づいた日、症状、求めること(修理か減額か)を書面やメールで伝え、送った記録を残しておきます。民法566条の「1年以内の通知」をしたことを、あとから示しやすくなります。
別の工場で先に修理すると、故障の原因や状態を販売店と確かめられなくなることがあります。修理を急ぐ場合も、見積もりや故障の箇所の写真を残しておくと安心です。なお、店に出向いて買った契約は、訪問販売のように営業所以外の場所で結ぶ取引にはあたらず、特定商取引法のクーリング・オフの対象にはなりません。