6. 【元FP会社職員の視点】検証:セルフレジのスキャン忘れは「確かめる場所を決めておく」と防ぎやすい
ここまでの数字から見えることの1つ目は、万引きの認知件数が2025年に10万5135件となり、2023年から3年続けて増えていることです。この数字はセルフレジに限らない万引き全体の件数で、セルフレジでの件数は分かりません。
2つ目は、刑法の条文では、窃盗罪の分かれ目が故意の有無に置かれていることです。ただし、故意があったかどうかは、本人の説明だけでなく、そのときの状況から判断されます。会計の場で気づけるようにしておくと、あとから状況を説明する場面そのものを減らせます。
会計の場で気づけるようにしておくには、会計の前は画面の点数、会計の後はレシートの品数、と確かめる場所を決めておくと続けやすいように思います。
品数と合計を確かめる習慣は、スキャン忘れだけでなく二重読み取りによる払いすぎにも気づけるので、家計の面でも役に立ちます。
急いでいる日や商品が多い日は、有人レジを選ぶのも一つの方法です。ご自身の買い物のペースに合わせて、確かめる場所を1つ決めてみると、会計のあとの不安を減らしやすくなるかもしれませんね。
7. まとめ
万引きは刑法では窃盗罪にあたり、刑は10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。刑法38条は罪を犯す意思がない行為は罰しないと定めており、セルフレジのスキャン忘れでは故意の有無が判断の分かれ目になります。それぞれの事案の判断は、警察や検察、裁判所が行います。
万引きの認知件数は2025年に10万5135件で、前年から約7.0%増えました。会計の前後に画面の点数とレシートの品数を確かめておくと、スキャン忘れにも払いすぎにも気づきやすくなります。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。本記事は刑法の条文と公的統計をもとにした一般的な情報で、それぞれの事案が犯罪にあたるかどうかを判断するものではありません。条文はe-Gov法令検索、万引きの件数は警察庁「犯罪統計」と法務省「犯罪白書」でご確認ください。
参考資料
- e-Gov法令検索「刑法」(明治40年法律第45号)
- 法務省「拘禁刑下の受刑者処遇等について」
- 警察庁「犯罪統計」
- 警察庁「犯罪統計資料(令和7年1~12月分【確定値】)」(e-Stat)
- 法務省「令和7年版 犯罪白書」第1編第1章第2節1
- 法務省「令和6年版 犯罪白書」第1編第1章第2節1
- 消費者庁「消費者ホットライン」
下村 美乃莉