パートで働く人の時給が上がっています。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2026年8月のパートタイム労働者の時給は平均1478円でした。
1年前の2025年8月は1411円だったので、4.7%増えたことになります。時給が上がると、勤務時間を変えていなくても年収は増えていきます。
この記事では、年収の壁を「週何時間まで働けるか」に置き換えて確認します。去年と同じ週17時間の勤務で、健康保険の扶養の130万円を超えるのかも試算してみましょう。
1. 【年収の壁】パートの時給は1年で67円上がって平均1478円
まずは、パートの時給がどのくらい上がっているのかを、厚生労働省の統計で見ておきます。
1.1 2026年8月の時給は前年同月比4.7%増
毎月勤労統計調査(事業所規模5人以上)によると、パートタイム労働者の時給は2026年8月に1478円でした。2025年8月の1411円から67円上がり、前年同月比は4.7%の増加です。
月ごとに見ると、2025年8月から2026年8月までの13か月で、1400円を下回ったのは2025年9月の1388円だけでした。2026年に入ってからは、どの月も1430円を超えています。
1.2 統計の時給は残業代を含まない
この統計の時給は、毎月決まって支払われる給与(所定内給与)を、決まった労働時間(所定内労働時間)で割って出したものです。残業代や賞与は入っていません。
あくまで全国の平均なので、地域や仕事によって実際の時給は違います。ご自身の時給は、給与明細や労働条件通知書で確かめておきましょう。
2. 時給1478円で見る年収の壁は「週何時間」まで
年収の壁は金額で語られることが多いですが、パートで働く人が実際に決めているのは勤務時間です。そこで、平均の時給1478円で、それぞれの壁が週何時間にあたるのかを計算しました。
計算は、1年を52週として「壁の金額÷(時給×52週)」で出し、小数第2位を切り捨てています。時給だけで働き、手当や賞与がない場合の目安です。
例)時給1478円で働く場合 年収の壁と週の勤務時間の目安(2026年)2/2
出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年8月分結果確報」、厚生労働省「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&Aについて」、国税庁「令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし」をもとにLIMO編集部作成
- 健康保険の扶養(年収130万円未満):週16.9時間まで
- 税の扶養(配偶者控除・給与収入136万円以下):週17.6時間まで
- 配偶者特別控除が満額の38万円(給与収入169万円以下):週21.9時間まで
- 本人に所得税がかからない(給与収入178万円以下):週23.1時間まで
2.1 健康保険の扶養130万円は週16.9時間
家族の勤め先の健康保険の扶養に入れるのは、年収が130万円未満の人です。時給1478円なら、週16.9時間までがこの範囲にあたります。
60歳以上の人などは180万円未満、19歳以上23歳未満の人(配偶者を除く)は150万円未満が基準です。健康保険の扶養では、通勤手当などの手当や賞与も年収に入ります。
2.2 税の扶養136万円は週17.6時間
2026年分から、配偶者控除の対象になる配偶者の給与収入は136万円以下に引き上げられました。時給1478円なら週17.6時間までです。
136万円を超えても、169万円以下なら配偶者特別控除が満額の38万円のまま受けられます。時給1478円では週21.9時間までが目安です。
2.3 本人に所得税がかかる線は178万円
2026年分は、給与収入だけの人なら178万円まで本人に所得税がかかりません。時給1478円で計算すると週23.1時間です。
4つの壁を並べると、いちばん手前にあるのは健康保険の扶養の130万円です。時給が上がるほど、この週16.9時間の線は短くなっていきます。
次のページでは、時給だけが上がって勤務時間が去年と同じだった場合に、年収がどう変わるかを試算します。