6. 【証券会社出身の視点】検証:共働きのふるさと納税は、どちらの名義でいくら寄附するかで、同じ7万7000円でも世帯の自己負担が約2000円から約5万6900円まで変わる
この記事では、年収210万円と年収597万円の会社員の控除の上限の目安と、共働きの夫婦が世帯の寄附を名義でどう分けるかによる自己負担の差、控除の上限を超えたときの自己負担をご紹介しました。
記事で出した年収210万円の控除の上限の目安約1万6000円は、40歳未満で会社の健康保険と厚生年金に加入し、扶養親族やほかの控除がない人の金額です。同じ年収でも、社会保険料や扶養の状況、医療費控除などで控除の上限は変わりますので、ご自身がどの前提にあたるかを確かめてから金額を当てはめるとよいでしょう。
夫婦の資産は、口座の名義ごとに税金の扱いが決まります。ふるさと納税も同じで、返礼品は世帯で受け取っていても、控除を受けられるのは寄附をした名義の人だけです。
確認していただきたい観点を、順に整理します。第一に、夫婦それぞれの住民税の所得割の額。第二に、今年すでに寄附した額が、それぞれの名義でいくらあるか。第三に、それぞれがワンストップ特例を申請するのか、確定申告をするのかです。
名義ごとの控除の上限が分かると、世帯で寄附する額と、それぞれの名義に割り振る額も決めやすくなります。年収の低い側が上限の範囲で寄附すれば、自己負担2000円で返礼品を受け取れる範囲が世帯で広がります。
7. まとめ
ふるさと納税の控除の上限は、寄附をする本人の住民税の所得割で決まります。年収210万円なら控除の上限の目安は約1万6000円、年収597万円なら約7万7200円です。上限までなら、年収が低くても自己負担は2000円です。
共働きの夫婦では、世帯で同じ7万7000円を寄附しても、夫婦で半分ずつにすると世帯の自己負担は約2万4200円、妻の名義だけでは約5万6900円になります。今年の控除の対象は12月31日までの寄附で、控除の上限の目安は総務省「ふるさと納税ポータルサイト」や、お住まいの市区町村の案内で確かめることができます。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。ふるさと納税の控除の上限は、年収のほか、社会保険料、扶養の状況、生命保険料控除や医療費控除などのほかの控除によって変わります。最新の情報は、総務省「ふるさと納税ポータルサイト」や国税庁のホームページ、お住まいの市区町村でご確認ください。
参考資料
- 総務省「税金の控除について」
- 総務省「制度改正について(2015年4月1日)」
- 国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」
- 国税庁「No.1410 給与所得控除」
- 国税庁「No.1800 パート収入はいくらまで所得税がかからないか」
- 国税庁「No.1195 配偶者特別控除」
- 国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」
- 全国健康保険協会「令和8年度都道府県単位保険料率」
- 浜松市「税額控除」
- 大阪府「令和8年度の主な税制改正の紹介」
安達 さやか