3. 介護付き有料老人ホームの自己負担が2割・3割なら?要介護5では上限の約4万4400円で頭打ち
厚生労働省によると、高額介護サービス費は、1か月の介護保険の自己負担が上限を超えた分を払い戻す仕組みです。住民税課税世帯で課税所得380万円未満なら、上限は世帯で月4万4400円です。
- 【課税所得380万円未満】世帯で月4万4400円
- 【課税所得380万円以上690万円未満】世帯で月9万3000円
- 【課税所得690万円以上】世帯で月14万100円
3割負担の場合、要介護1でも計算上は月約4万8800円となり、上限を超えます。課税所得380万円未満なら、要介護1でも要介護5でも、払う額は上限の約4万4400円で同じです。
ただし、上限は世帯単位のため、夫婦ともに介護サービスを使うと2人分を合わせて判定します。払い戻しを受けるには、市区町村への申請が必要です。家賃や食費など、介護保険の対象外の費用は上限の計算に入りません。
4. 介護付き有料老人ホームは要介護度が上がると退去を求められる?契約書に定めた条件と手続きによる
厚生労働省「有料老人ホームの設置運営標準指導指針」は、施設側から契約を解除する条件について、信頼関係を著しく害する場合に限るなど、入居者の権利を不当に狭めないよう求めています。
要介護度が上がったことを理由に、介護居室や提携ホームへ住み替える契約や、契約を解除する契約もあります。その場合、指針は次の手続きを入居契約書などに定めるよう求めています。
- 【医師の意見】医師の意見を聴く
- 【同意】本人または身元引受人等の同意を得る
- 【観察期間】一定の観察期間を設ける
指針は都道府県などが施設を指導するときの基準で、退去の条件そのものは施設ごとの入居契約書で決まります。医療的なケアが必要になったときの扱いも含め、入居前に契約書と重要事項説明書で確かめておくことが大切です。
5. 介護付き有料老人ホームと住宅型有料老人ホームで自己負担の決まり方は違う?住宅型は使った分だけ
住宅型有料老人ホームでは、訪問介護などの在宅サービスを使った分だけ自己負担がかかります。要介護度ごとの区分支給限度基準額の範囲で使うため、要介護度が上がるほど使える額も大きくなります。
- 【要介護1の限度額】月16万7650円(1割負担なら約1万6800円)
- 【要介護5の限度額】月36万2170円(1割負担なら約3万6200円)
※試算の前提:限度額いっぱいまで在宅サービスを使った場合。1単位10円の地域。
介護付き有料老人ホームでも、介護職員等処遇改善加算や夜間の看護体制の加算など、基本の費用に上乗せされる加算があります。人員を手厚く配置するための介護保険外の費用がかかる施設もあります。重要事項説明書で、月額に何が含まれるかを確かめておくと安心です。
6. まとめ
介護付き有料老人ホームの介護保険の自己負担は要介護度で決まり、1割負担なら要介護1と要介護5の差は月約8100円です。2割・3割負担では、要介護5で高額介護サービス費の上限の約4万4400円に届きます。
要介護度が上がったときの住み替えや契約解除は、入居契約書に定めた条件と手続きによります。費用の内訳と契約の条件を、入居前に家族で確かめておくとよいでしょう。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。地域による単価の違いや施設ごとの加算、介護保険の対象外の費用は含めていません。実際の費用や契約の条件は、入居する施設やお住まいの市区町村でご確認ください。