介護付き有料老人ホームを選ぶとき、毎月の利用料が年金でまかなえるかを先に確かめる人は多いでしょう。一方で、入居したあとに要介護度が上がると、介護保険の自己負担がいくら増えるのかまでは見落としがちです。
施設の費用は「入居時の月額」と「介護の度合いで変わる額」を分けて見ると整理しやすいかもしれません。ここでは、厚生労働省の資料をもとに、要介護度ごとの自己負担を確かめます。
要介護1と要介護5で、介護保険の自己負担が1か月にいくら違うかを、1割・2割・3割の負担割合ごとに試算します。あわせて、施設から退去を求められる条件も整理します。
※1日542円〜813円(1割負担)は、厚生労働省「介護サービス情報公表システム」にある特定施設入居者生活介護の費用の目安です。
1. 介護付き有料老人ホームの介護保険の自己負担は要介護度で決まる?1割なら1日542円〜813円
介護付き有料老人ホームの多くは、介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けています。介護保険の自己負担は、受けた介護の回数ではなく、要介護度ごとに1日あたりの額で決まります。
- 【要介護1】1日542円(月約1万6300円)
- 【要介護2】1日609円(月約1万8300円)
- 【要介護3】1日679円(月約2万400円)
- 【要介護4】1日744円(月約2万2300円)
- 【要介護5】1日813円(月約2万4400円)
※試算の前提:1割負担。1か月を30日とした。地域による単価の違いや、施設ごとの加算は含めていない。
厚生労働省の同じページは、入居費用や、おむつ代などの日常生活費は別に負担が必要だとしています。家賃や管理費、食費は介護保険の対象外で、要介護度では決まりません。
2. 介護付き有料老人ホームで要介護1から5になると自己負担はいくら増える?1割なら月約8100円
介護付き有料老人ホームの介護保険の自己負担は、1割負担なら要介護1で月約1万6300円、要介護5で月約2万4400円です。差は月約8100円で、1年では約9万8000円になります。
- 【1割負担】要介護1は月約1万6300円、要介護5は月約2万4400円(差は月約8100円)
- 【2割負担】要介護1は月約3万2500円、要介護5は月約4万4400円(差は月約1万1900円)
- 【3割負担】要介護1も要介護5も月約4万4400円(差はなし)
※試算の前提:1か月30日。2割・3割負担の要介護5と、3割負担の要介護1は、高額介護サービス費の上限(世帯で月4万4400円)を当てはめた。上限の区分は住民税課税世帯で課税所得380万円未満の場合。
【図表】介護付き有料老人ホームの要介護度別・介護保険の自己負担(月額の試算)1/1
出所:厚生労働省「介護サービス情報公表システム 特定施設入居者生活介護」、厚生労働省「介護サービス情報公表システム サービスにかかる利用料」をもとにLIMO編集部作成
要介護1から要介護5までの差は、1割負担で月約8100円にとどまります。介護保険の自己負担だけを見ると、要介護度が上がっても月額が大きく跳ね上がるわけではありません。