店の駐車場で「長時間駐車は◯万円いただきます」といった掲示を見かけることがあります。買い物をした客でも、用事を済ませるあいだ長時間駐車をしたら、掲示の金額を払う義務があるのでしょうか。

独立系のFP会社で保険の手続きやマネーセミナーの運営補助をしていた立場から見ると、駐車場の決まりは家計の思わぬ出費にもつながるので、知っておきたい点です。ここでは、民法の考え方と、裁判所が公開している裁判例を確かめます。

あわせて、店が請求できる額の目安として、近くの時間貸し駐車場に同じ時間停めた場合の料金を、市営駐車場3か所の料金で試算します。比較のため、30分あたりの料金が100円・200円・300円と異なる公営の駐車場を、さいたま市の2か所と名古屋市の1か所から選びました。全国の平均ではありません。

※時間貸しの料金は、さいたま市「市営岩槻駅東口公共駐車場のご案内」「市営浦和駅東口駐車場のご案内」、名古屋市「市営駐車場一覧」に載っている普通料金(2026年10月29日に確認)をもとにしています。

1. 長時間駐車は、買い物をした客でも無断駐車?店の許した時間・目的を超えれば、無断駐車にあたりうる

長時間駐車をしたのが買い物をした客でも、それだけで駐車場を自由に使えるわけではありません。店の駐車場は、店が「買い物をするあいだ」などの条件で客に使わせているものです。

国民生活センター「暮らしの法律Q&A」では、月極め駐車場の無断駐車について、契約もなく他人が使う権利をもつ場所を使うことは、民法上の不法行為にあたると解説しています(2026年1月号)。不法行為による損害の賠償は、民法709条に定められています。

店の駐車場でも、買い物を終えたあとに別の用事で停め続けると、店の許した時間・目的を超えた部分は、無断駐車にあたりうると考えられます。

  • 【店が許している使い方】店で買い物や食事をするあいだの駐車
  • 【無断駐車にあたりうる使い方】買い物のあとに車を置いたまま、別の店や用事に出かける
  • 【当てはまりやすい場合】掲示で時間の上限や「お客さま以外の駐車禁止」などを示している