5. ガソリン代と高速代のほかに車を出す側が持つ費用は?駐車場代は実費に入り、もともと掛けている保険料は入らない
ガイドラインの「実費」には、駐車場料金も含まれます。行き先の駐車場代がかかるなら、ガソリン代や高速代と同じように、人数で分ける費用の候補になります。
一方で、その車にもともと掛けている自賠責保険や任意保険の保険料は、実費の保険料の対象外とされています。タイヤなどの消耗も、ガイドラインに挙がる実費には入っていません。
見落としやすいのが、友人の家に迎えに行く分の距離です。ガイドラインの実費は「前後の回送を含む」とされています。仮に、迎えと送りの寄り道で合わせて10km多く走ると、普通車のガソリン代は約180円増えます。
6. 【元FP会社スタッフの視点】検証:車を出したときの実費は、ガソリン代より高速代の大きさで見ると話しやすい
試算を並べると、練馬IC〜碓氷軽井沢ICを普通車で平日に往復した場合、合計約1万2000円のうち高速代7400円が約6割を占めていました。ガソリン代だけを思い浮かべていると、実際の負担を小さく見積もりやすい数字です。
数字の読み方として分けておきたいのは、「レシートや明細で金額が残る費用」と「計算しないと分からない費用」です。高速代はETCの利用明細で、駐車場代は領収書で金額が分かります。ガソリン代は給油した量と行き先の距離が合わないため、1kmあたりの額で見積もるのが現実的です。
マネーセミナーの運営を手伝っていた頃も、資料の数字は「出どころが分かるもの」から並べるようにしていました。分け合う話でも、明細のある高速代から伝えると、相手も納得しやすいように思います。
もっとも、分け合うかどうかは間柄や回数によって変わります。毎回きっちり割るという置き方もあれば、行きの高速代だけ、あるいは食事代を持ってもらうという置き方もあります。どれが正しいということはありません。
大切なのは、あとから一人で抱え込まないことです。出発前に「ガソリン代と高速代は人数で割ろうか」と一言決めておくと、車を出す側も乗る側も、気持ちよく出かけられるのではないでしょうか。
7. まとめ
友人を乗せて車を出したときの実費は、練馬IC〜碓氷軽井沢ICの往復(約262km)なら、普通車でガソリン代約4600円と高速代7400円の合計約1万2000円、3人で割ると1人約4000円です。軽自動車なら1人約3000円で、どちらも高速代のほうがガソリン代より大きくなります。
国土交通省のガイドラインでは、ガソリン代・道路通行料・駐車場料金などの実費を受け取ることは、許可の要る有償の運送とは別に扱われています。出かける前に、行き先までの距離と高速代を一度調べて、分け方を話しておくと安心です。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。ガソリン価格は2026年10月26日調査の全国平均、高速代は2026年10月28日にNEXCO東日本「ドラぷら」で検索した料金で、実際の額は給油する店舗や走り方、利用日時で変わります。個々の運送の扱いは、最寄りの運輸支局などでご確認ください。
参考資料
- 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」
- 国土交通省「自動車燃料消費量調査」
- NEXCO東日本「ドラぷら」高速料金・ルート検索
- NEXCO東日本「ETC 休日割引」
- e-Gov法令検索「道路運送法」
- 国土交通省「道路運送法における許可又は登録を要しない運送に関するガイドラインについて」
下村 美乃莉