4. 2026年中に贈与を受けた子や孫は、2027年2月1日から3月15日までに申告と納税
1年間に受け取った贈与の合計が110万円を超えた場合は、受け取った人が自分で申告と納税をします。
4.1 申告するのは、贈与を受け取った人
国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」によると、贈与を受けた人は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に申告と納税をする必要があります。
- 2026年中に受け取った贈与:2027年2月1日から3月15日までに申告と納税
- 1年間の合計が110万円以下:暦年贈与の申告は不要
4.2 12月31日と1月1日の贈与は、別の年として数える
贈与税は1月1日から12月31日までの1年ごとに計算するため、12月に受け取った贈与と翌年1月に受け取った贈与は、別の年の贈与になります。
年をまたいで受け取ると、それぞれの年で110万円の基礎控除を使える計算です。ただし、贈与した人が亡くなったときには、前の章で見た生前贈与加算で相続財産に足し戻される場合があります。
5. 60歳以上の親や祖父母からの贈与なら、相続時精算課税にも年110万円の基礎控除
親や祖父母からの贈与では、暦年贈与のほかに「相続時精算課税」を選ぶこともできます。
5.1 60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与が対象
国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」によると、相続時精算課税の主な内容は次のとおりです。
- 対象:贈与した年の1月1日に60歳以上の父母・祖父母などから、18歳以上の子・孫などへの贈与
- 基礎控除:年110万円(2024年1月1日以後の贈与)
- 特別控除:累計2500万円まで
- 税率:控除後の額に一律20%
- 手続き:最初の贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに「相続時精算課税選択届出書」を提出
5.2 一度選ぶと、その人からの贈与は暦年贈与に戻せない
相続時精算課税を選ぶと、その年以降、選んだ贈与者からの贈与はすべてこの制度で計算され、暦年贈与に変えることはできません。相続税がかかりそうかどうかも含めて、どちらを使うかを考える必要があります。
6. 年内に子や孫へ贈与する前に、親や祖父母が確かめたい3つの点
6.1 受け取る人ごとの1年間の合計額
110万円の基礎控除は、受け取る人ごとの1年間の合計で判定されます。両親や祖父母など、複数の人から受け取る予定がある場合は、合計で110万円を超えないかを確かめておきましょう。
6.2 贈与した人の相続で、加算の対象になるか
相続や遺贈で財産を受け取る予定の人への贈与は、2027年1月2日以後の相続から、3年を超えて足し戻される可能性があります。贈与の日付と金額は、通帳の記録などで残しておくと確かめやすくなります。
6.3 相続時精算課税を選んでいないか
以前に相続時精算課税を選んでいる場合、その人からの贈与には暦年贈与の110万円は使えず、相続時精算課税の110万円の基礎控除で計算します。
参考資料
- 国税庁「No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」
- 国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」
- 国税庁「No.4402 贈与税がかかる場合」
- 国税庁「No.4103 相続時精算課税の選択」
中本 智恵