5. 固定資産税の住宅用地の特例措置が外れたら?評価額1000万円あたり年約2.3万円から約9.8万円へ、上限まで上がると約4.2倍

東京都主税局によると、1月1日時点で住宅がない土地は、住宅を建築中・建築予定でも、原則として住宅用地になりません。住宅を取り壊したとき、庭を外部に貸す駐車場にしたときなども、住宅用地の特例措置の対象から外れることがあります。

住宅用地以外の宅地(商業地等)の課税標準額は、評価額の70%が上限です。200㎡までの住宅用地が住宅用地以外の宅地になった場合を、評価額1000万円あたりで比べると次のとおりです。

  • 【200㎡までの住宅用地】課税標準額 約166.7万円、固定資産税 年約2.3万円
  • 【住宅用地以外の宅地(上限の70%)】課税標準額 700万円、固定資産税 年約9.8万円

特例措置の「6分の1」から、税額が6倍になると考えがちですが、課税標準額は評価額の70%が上限のため、上限まで上がっても約4.2倍です。負担調整措置により、税額は前年度の課税標準額をもとに段階的に上がります。また、東京23区内では条例により上限を65%相当に引き下げる減額があります。

※試算の前提:負担調整措置を経て、課税標準額が上限の評価額×70%に達した場合です。都市計画税を含めると、約3.3万円から約11.9万円で約3.6倍です。

6. 【検証】試算から見えること:固定資産税の額は「評価額」より「課税標準額」で決まる

固定資産税は課税標準額×1.4%で計算します。家屋は評価額がそのまま課税標準額になる一方、土地は住宅用地の特例措置で評価額の6分の1や3分の1に下がります。同じ評価額1000万円でも、家屋は年約14万円、200㎡までの住宅用地は年約2.3万円と、6倍の差があります。

このため、固定資産税が年80万円になる評価額は、家屋なら約5714万円、平均的な広さの住宅用地なら約2億7770万円と、約4.9倍の開きがあります。地価公示価格に置き換えると1㎡あたり約152万円の土地にあたります。

「田舎なのに高い」と感じるときは、評価額の高さより、課税標準額がどの区分で計算されているかを見ると、理由をつかみやすくなります。課税明細書には、土地・家屋ごとの評価額と課税標準額が載っています。

  • 【住宅用地の区分】200㎡までか、200㎡を超える部分か、住宅用地以外か
  • 【家屋の減額】新築住宅の減額が終わった年度ではないか
  • 【都市計画税】市街化区域内などで、都市計画税がかかっているか
  • 【所有する土地・家屋の数】同じ市町村にある分が合算されていないか

家屋の評価額は再建築費の2割が下限で、古い家屋でも0円にはなりません。築年数がたった家屋の税額は低くなりやすい一方、土地の住宅用地の特例措置は、住宅が建っていることが前提です。土地と家屋は、別の仕組みで税額が決まっています。

7. まとめ

固定資産税は課税標準額×1.4%で、評価額1000万円あたりの年税額は、家屋なら約14万円、200㎡までの住宅用地なら約2.3万円です。固定資産税だけで年80万円になるのは、家屋なら評価額約5714万円、平均的な広さの住宅用地なら約2億7770万円のときです。

土地と家屋の評価額は、令和9年度に3年に1度の評価替えで見直されます。課税明細書の評価額と課税標準額を見比べると、住宅用地の特例措置や新築住宅の減額がどう当てはまっているかを確かめることができます。

※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の税額は、負担調整措置や市町村の税率、減額の適用などによって異なります。詳しくは、土地・家屋がある市町村(東京23区内は都税事務所)でご確認ください。

参考資料

安達 さやか