3. 貯蓄の平均と中央値はなぜずれる?60代は4000万円以上の世帯が約4世帯に1世帯あり、約6割の世帯が平均を下回る

貯蓄の平均と中央値がずれるのは、貯蓄の多い世帯が平均を引き上げるためです。同じ調査の貯蓄現在高の階級別の世帯数から、全世帯に占める割合を計算すると次のとおりです。

  • 【4000万円以上】60代約23.8%(約4世帯に1世帯)、70歳以上約20.0%(約5世帯に1世帯)
  • 【3000万〜4000万円】60代約10.6%、70歳以上約8.9%
  • 【1000万円未満】60代約32.3%、70歳以上約35.8%
  • 【500万円未満】60代約19.1%(約5世帯に1世帯)、70歳以上約21.6%

貯蓄の分布は、多い側にも少ない側にも厚みがあります。4000万円以上の世帯の金額には上限がないため、平均は真ん中の世帯の額よりも高くなります。平均を下回る世帯は、60代で約6割(約63.6%)、70歳以上でも約6割(約64.5%)です。

※割合は、貯蓄が0円の世帯を「500万円未満」「1000万円未満」に含めて計算しています。平均を下回る世帯の割合は、平均が入る階級(60代は2500万〜3000万円、70歳以上は2000万〜2500万円)の中で世帯が均等に分かれていると仮定した、LIMO編集部の推計です。

4. 単身世帯の貯蓄の中央値は?65歳以上の単身世帯は830万円で、平均1650.1万円の約5割

ここまでの家計調査の数字は、二人以上の世帯のものです。単身世帯の貯蓄は、5年ごとに行われる総務省統計局「令和6年全国家計構造調査」(2024年10〜11月時点)で確かめられます。

  • 【65歳以上の単身世帯】平均1650.1万円、中央値830万円(中央値は平均の約5割)
  • 【65歳以上の二人以上の世帯】平均2200.2万円、中央値1279万円(中央値は平均の約6割)
  • 【単身世帯の年代別の平均】60代2224.2万円、70代1601.5万円

単身世帯は、二人以上の世帯よりも中央値が平均から離れており、貯蓄の多い世帯と少ない世帯の差がより大きいことがうかがえます。貯蓄を持っている単身世帯の割合(貯蓄保有率)は、60代で92.1%、70代で88.8%です。

※全国家計構造調査の貯蓄は「金融資産残高(貯蓄現在高)」の値です。家計調査とは調査の時点や方法が違うため、金額をそのまま比べることはできません。中央値は、貯蓄を持っていない世帯を除いて計算されています。