2016年は4月8日までに25社が新規上場

2016年もそろそろ3分の1が過ぎようとしています。そこで、これまでの新規上場(以下、IPO)をチェックしてみました。4月8日までのIPOは25社で(REIT及びテクニカル上場は除く)、昨年とほぼ同じペースです(2015年の同期間のIPOは22社)。

25社中20社が公募価格に対して初値が上昇

IPOの醍醐味は、IPOに応募して公募価格で購入した株の価格が大きく上昇することですが、2016年のIPOで公募価格に対する初値の上昇率が最も高かったのは、コンテンツマーケティングサービス等を展開するはてな(3930、上昇率+278%)でした。

次いで、住関連産業関連のASPシステムの提供等を行うハイアス・アンド・カンパニー(6192、同+189%)、学校教育用ソフト開発のチエル(3933、同+165%)が高い上昇率となっています。

一方、アイドママーケティングコミュニケ―ション(9466)、ユー・エム・シー・エレクトロニクス(6615)、ウイルプラスホールディングス(3538)、フェニックスバイオ(6190)、フィット(1436)、アカツキ(3932)の6社の初値が公募価格割れとなりました。

上場日終値に対して4月13日終値が上回っているのは25社中8社のみ

これら25社に関して、仮に公募では買うことができず上場日に買ったと想定し、上場日終値と直近の株価との差異もチェックしてみました。

すると、最も上昇率が高かったのはゲーム開発のアカツキで、上昇率は+149%でした。アカツキの初値は公募価格割れでしたが、その後、大きく挽回したことになります。

大半の企業が時価総額100億円以下

2016年にIPOを行った銘柄で時価総額が100億円を超えているのは25社中8社のみで、17社は100億円以下と小粒です。

時価総額トップはアカツキ(時価総額607億円)で、これに地銀の富山第一銀行(7184、338億円)、子育て支援のグローバルグループ(6189、258億円)が続きます。

今後のIPOに注目

以上のように、今年のこれまでのIPOはマイクロキャップ銘柄が多いこともあり、話題性は今一つでした。ただし、昨年、問題となった上場直後に下方修正を繰りかえす「上場ゴール」のようなことが目立って見られないのは良い傾向だと思います。

また、具体的な時期は未定ですが、ヨドバシカメラ、東京メトロ、JR九州、コメダ、メルカリ、LINEなどが今後、IPOを計画していると予想されます。中には、既に引き受け幹事証券会社が選定されているものもあります。

これら“予備軍”の中には、時価総額が相当に大きくなる企業が多く見られるため、今後もIPOの動向には注目していきたいと思います。

【2016年4月14日 投信1編集部】

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LIMO編集部