4. 生活扶助の移送費が認められるそのほかの場面
局長通知が挙げる移送費の対象は、親族の危篤や葬儀だけではありません。暮らしの場面ごとに主なものを整理します。
4.1 福祉事務所の指示で手続きや求職に出向くとき
福祉事務所の指示や指導を受けて、他法による給付の手続、施設入所手続、就職手続、検診等のために出向く場合が対象です。福祉事務所の指示や指導を受けて求職のために熱心かつ誠実に努力した場合も含まれます。
4.2 世帯員の入院で最小限度の連絡が必要なとき
世帯員のだれかが入院し、患者の移送以外に福祉事務所が認める最小限度の連絡が必要な場合も、移送費の対象になります。
4.3 出産や妊婦健診、健康管理支援事業による健診のとき
出産や妊婦健診のために病院や助産所等へ入院・入所、退院・退所、通院・通所する場合も対象です。妊婦健診は、国の基準で公費負担の限度になっている回数に限られます。
福祉事務所が行う被保護者健康管理支援事業の受診勧奨で、健康診査や保健指導のために通院・通所する場合も含まれます。
4.4 転居や家財道具の保管・引き取りのとき
転居する場合や、住居を失った人が家財道具をほかに保管する場合、その家財道具を引き取る場合で、真にやむを得ないときも対象です。荷造費と運搬費は、福祉事務所が事前に承認した必要最小限度の額になります。
5. 移送費では付き添いの人の交通費も対象になる場合がある
本人だけでは移動が難しいときの扱いも、局長通知に定められています。
5.1 親族の危篤・葬儀や出産などで付添者が必要なとき
手続き等への出向き、施設への入所や通所、親族の危篤や葬儀への参加、出産や妊婦健診などの場合で付添者が必要なときは、その人にかかる交通費、宿泊料、飲食物費も同じように扱うとされています。
5.2 移動の前に福祉事務所の判断を受けておく
親族の危篤や葬儀による移送費は、福祉事務所がやむを得ないと認めたときに限られます。乗車券の交付など現物で支給されることもあるため、移動の前に相談しておくことが大切です。
6. まとめ
生活扶助の移送費は、配偶者、3親等以内の血族、2親等以内の姻族の危篤や葬儀、引き取り手のない遺体・遺骨の引き取りなどで、福祉事務所がやむを得ないと認めたときに支給されます。範囲は必要最小限度の交通費、宿泊料、飲食物費です。
年末年始に親族の容体が急に悪くなったときも、出発の前に福祉事務所へ連絡し、親族との関係と行き先を伝えておきましょう。
参考資料
鶴田 綾