4. 期末一時扶助は年を越して保護を受ける人のための「越年資金」
12月中に保護が始まる人には全額、12月中に終わる人には支給しないという扱いの理由は、期末一時扶助の位置づけにあります。
4.1 12月から翌年1月にかけて引き続き保護を受ける人が対象
問答は、期末一時扶助の性格を次のように説明しています。
期末一時扶助費は12月から翌年1月にかけて引き続き保護を受ける者に対して越年資金として支給されるものである。
出所:厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」
年末年始をまたいで保護を受けることが前提のため、12月の何日に保護が始まったかで額を減らさず、年内に保護が終わる人には支給しない形になっています。
4.2 年内に保護が終わる見込みがあるときは受け取る前に相談を
12月分の保護費をすでに受け取ったあとに、同じ12月中に保護が停止・廃止になると、期末一時扶助は原則として全額返還の対象です。
就職などで年内に保護が終わる見込みがある場合は、使ってしまう前に担当のケースワーカーに伝えておくと、あとで返還に困ることを避けやすくなります。
5. 入院・介護施設に入所している人の期末一時扶助は所在地の級地で計算
入院していたり介護施設に入所していたりする人にも、期末一時扶助は計上されます。その場合の級地の扱いが局長通知に定められています。
5.1 入院・入所している地の級地基準による額を適用
局長通知は、入院患者日用品費や介護施設入所者基本生活費が計上される期間の期末一時扶助費や各種加算について、その期間に本人が所在する地の級地基準による額を適用するとしています。
自宅とは別の級地にある病院や施設にいる場合は、自宅のある地域ではなく、病院や施設のある地域の級地で額が決まる形です。
5.2 救護施設などで暮らす人は施設所在地の級地基準
救護施設などの保護施設で暮らす人の基準生活費は、期末一時扶助費や各種加算を含めて、施設の所在地の級地基準により計上するとされています。額は居宅で暮らす世帯とは別の表で定められています。
6. 12月分の期末一時扶助を確かめるときに見ておきたい書類
期末一時扶助は申請して受け取るものではなく、12月分の生活扶助に自動的に加わります。額は保護の決定・変更の通知で確かめられます。
6.1 12月分の保護決定通知で生活扶助の内訳を確認
12月分の通知では、生活扶助の額が11月分より増えているかを確かめましょう。期末一時扶助が加わっていれば、その分が上乗せされています。
6.2 世帯の人数や住まいが変わったら早めに届け出る
期末一時扶助は級地と世帯人員で額が決まります。12月の前後に転居や世帯の人数の変化があったときは、早めに福祉事務所へ届け出ておきましょう。
7. まとめ
生活保護の期末一時扶助は、12月から翌年1月にかけて保護を受ける人のための越年資金です。12月の途中で保護が始まった世帯にも日割りせずに全額が支給され、12月中に保護が停止・廃止された世帯には支給されません。
2026年4月からは、単身世帯の額が1級地-1で1万4500円、3級地-2で1万1240円に引き上げられました。入院・入所中の人は所在地の級地で計算されるため、12月分の決定通知で額を確かめておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」
- 厚生労働省「生活保護法による保護の基準」
- 厚生労働省「生活保護制度に関するQ&A」
- 厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」
鶴田 綾