12月が近づくと、年末年始の買い物や暖房費など、出費がかさむ時期を迎えます。生活保護では、12月分の生活扶助に「期末一時扶助」が1回だけ加わります。

厚生労働省の「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」では、期末一時扶助の額が2026年4月から引き上げられたほか、12月の途中で保護が始まった世帯や終わった世帯の扱いも問答で示されています。

この記事では、12月の途中で保護が始まった場合と、12月中に保護が停止・廃止された場合に、期末一時扶助がどう扱われるかを確認します。

1. 生活保護を受けている人は令和8年7月分で196万9655人、保護が始まった世帯は2万170世帯

はじめに、厚生労働省の被保護者調査で、生活保護を受けている人の数と、新たに保護が始まった世帯の数を見ておきます。

1.1 受けている人は前年同月より2万438人少ない

厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」によると、生活保護を受けている人は196万9655人、世帯数は164万4102世帯でした。

受けている人の数は、前年同月と比べて2万438人、率にして1.0%減っています。

1.2 7月に保護が始まった世帯は2万170世帯、申請は2万5236件

同じ調査で、7月の保護の申請件数は2万5236件、保護が始まった世帯は2万170世帯でした。保護開始世帯数は前年同月より522世帯、率にして2.5%少なくなっています。

保護は原則として申請のあった日以降で開始されるため、月の途中から保護を受け始める世帯もあります。

2. 生活保護の保護費は最低生活費と収入の差額、12月は期末一時扶助が加わる

期末一時扶助の扱いを見る前に、生活保護の保護費の決まり方を確認します。

2.1 収入が最低生活費に届かない分が保護費として支給される

生活保護では、世帯の収入と厚生労働大臣が定める基準で計算した最低生活費を比べ、収入が最低生活費に満たない場合に、その差額が保護費として支給されます。

生活扶助基準額の例(令和8年10月1日現在、児童養育加算等を含む)1/2

3人世帯・高齢者単身世帯・高齢者夫婦世帯・母子世帯の生活扶助基準額を東京都区部等と地方郡部等で比べた棒グラフ

出所:厚生労働省「生活保護制度に関するQ&A」を参考にLIMO編集部作成

  • 3人世帯(33歳、29歳、4歳):東京都区部等16万8020円、地方郡部等15万370円
  • 高齢者単身世帯(68歳):東京都区部等7万7980円、地方郡部等6万9950円
  • 高齢者夫婦世帯(68歳、65歳):東京都区部等12万5460円、地方郡部等11万1720円
  • 母子世帯(30歳、4歳、2歳):東京都区部等20万50円、地方郡部等17万9300円

2.2 12月の基準生活費には期末一時扶助費の額が加わる

保護の基準では、12月の基準生活費の額は、毎月の算式で計算した額に期末一時扶助費の額を加えた額とされています。額は、住んでいる地域の級地と世帯人員によって決まります。

期末一時扶助費の改定前後(単身世帯・級地別)2/2

単身世帯の期末一時扶助費について、2026年3月までの額と2026年4月からの額を1級地-1から3級地-2までの級地別に比べた棒グラフ

出所:厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」をもとにLIMO編集部作成

  • 1級地-1:1万4160円→1万4500円
  • 1級地-2:1万3520円→1万3850円
  • 2級地-1:1万2880円→1万3190円
  • 2級地-2:1万2250円→1万2550円
  • 3級地-1:1万1610円→1万1890円
  • 3級地-2:1万970円→1万1240円

単身世帯では、どの級地でも2026年4月からの額が270円から340円高くなっています。今年の12月分は、引き上げ後の額で算定される最初の期末一時扶助です。

3. 期末一時扶助、12月の途中で生活保護が始まっても日割りせず全額

月の途中で保護が始まった月の生活扶助は、通常は日割りで計算されます。期末一時扶助については、問答で別の扱いが示されています。

3.1 12月中に保護が始まった世帯には日割計算をせずに支給

問答は、12月中に保護を開始される人には、日割計算を行うことなく期末一時扶助費を支給するとしています。

たとえば12月20日に保護が始まった単身世帯でも、期末一時扶助は日割りされず、その世帯の級地と世帯人員に応じた額がそのまま加わる扱いです。

3.2 12月中に保護が停止・廃止された世帯には支給されない

反対に、12月中に保護を停止または廃止される人には、期末一時扶助費は支給しないとされています。すでに支給していた場合は、生活保護法第80条を適用すべき場合を除いて、全額を返還させることになります。

生活保護の期末一時扶助は、12月の途中で保護が始まった世帯にも日割りせずに全額が支給され、12月中に保護が停止・廃止された世帯には支給されません。2026年4月からは単身世帯の額が級地別に270円から340円引き上げられています。

12月に保護が始まる人や、12月中に働き始めて保護が終わる見込みの人は、12月分の保護費の内訳を福祉事務所から届く決定通知で確かめておくと安心です。

ここからは、期末一時扶助が12月から翌年1月をまたぐ人に支給される理由と、入院や入所をしているときの扱いを見ていきます。