4. 【管理職を考える前に】自分の会社の処遇と、公表されている情報を確かめる
管理職という働き方を考えるときは、次の3つの順で確かめていくと整理しやすくなります。
4.1 役職ごとの給与や賞与はいくらか
まず、自分の会社で、役職ごとの給与や賞与がどう決まっているかを確かめましょう。管理職になると、手当や賞与の決まり方が変わる会社もあります。給与規程や人事の制度の説明で、役職ごとの処遇を確かめておくと、年収がどう変わりそうかを考えやすくなります。具体的な扱いは会社によって違うため、わからないところは人事の担当部署に確かめておきましょう。
4.2 会社が公表している情報を見る
次に、会社が公表している情報にも目を向けてみます。厚生労働省によると、2026年4月1日に施行された改正女性活躍推進法では、常時雇用する労働者が101~300人の事業主にも、「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の公表が新たに求められるようになりました(女性管理職比率は301人以上の事業主にも新たに求められています)。301人以上の事業主は、男女間賃金差異の公表が2022年7月8日から義務づけられています。厚生労働省は、公表の場として「女性の活躍推進企業データベース」の活用を勧めており、自分の会社や転職先の候補の取り組みを知る手がかりになります。法令の細かな扱いは、勤め先の担当部署で確かめてください。
公表されている数字は、会社の規模や業種などによって背景が違います。数字の大小だけでなく、自分の会社の取り組みがこれからどう変わっていくのかを見ていく材料として使うとよいでしょう。
4.3 これからのキャリアとお金の計画を考える
そして、これからのキャリアとお金の計画を考えます。管理職を目指す場合は、年収が増えたぶんをどう貯蓄や将来の備えに回すかを、早めに決めておくとよいでしょう。管理職を目指さない場合も、専門性を高める、働き方を見直すなど、収入を育てる道はいくつもあります。どちらを選んでも、年収の目安と家計の支出を並べて、毎月どれくらいを将来のために残せるかを確かめておくことが大切です。管理職になると、仕事の幅が広がる一方で、働く時間や責任の重さも変わります。収入だけでなく、家族との時間や自分のペースも含めて、どのような働き方を選びたいかを考えておきましょう。
5. まとめにかえて
令和7年賃金構造基本統計調査では、女性の推定年収は部長級が893万1000円、課長級が757万5300円、係長級が605万5400円でした。雇用均等基本調査では、課長相当職以上の管理職のうち、女性は13.8%でした。
自分の会社の処遇と公表されている情報を確かめ、年収の目安を家計の計画に生かすことが、これからの働き方を選ぶための大切な準備になります。
6. 編集部よりコメント
今回見たように、国の調査からは役職ごとの年収の目安がわかり、企業の取り組みは公表されている情報からも知ることができます。管理職を目指すかどうかにかかわらず、自分の働き方とお金の計画を見直すきっかけとして、数字を手がかりにしてみてください。年収が変わる時期は、家計の見直しや将来の備えを考えるよい機会にもなります。
働き方を選ぶときは、今の暮らしだけでなく、10年後、20年後の家計の姿も思い描いてみると、自分に合った道を考えやすくなります。管理職を目指す方も、今の働き方を大切にしたい方も、それぞれの選択を支えるのは、数字にもとづいた準備です。年収の目安や職場の情報は、迷ったときに立ち返る目印にもなるでしょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」
- 厚生労働省「令和7年度雇用均等基本調査」
- 厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」
- 厚生労働省「改正女性活躍推進法等のポイント」
- 飯田橋・神楽坂社会保険労務士法人「女性管理職を「増やしたい」は約45%、しかし女性管理職ゼロ・10%未満は61.9%」(PR TIMES)
宮野 茉莉子
