4. 葬儀費用で困らないには?見積書を

国民生活センターによると、全国の消費生活センター等に寄せられる葬儀サービスに関する相談は増加傾向で、年間900件前後です。チラシや広告の金額を見て依頼したところ、追加の費用がかさんで想定を大きく上回ったという相談もあります(国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル」)。

国民生活センターによる、葬儀サービスのトラブルを防ぐためのアドバイスです。4/6

葬儀サービスのトラブルを防ぐためのアドバイス

出所:国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル-「家族葬だから安い」と思っていませんか?-」をもとにLIMO編集部作成

親しい方との別れの直後は、冷静に判断するのが難しいものです。見積書は必ず受け取り、明細まで確かめることが大切です。不安に思ったときやトラブルになったときは、消費者ホットライン(188)で最寄りの消費生活センターにつないでもらえます。

5. 退職後すぐ亡くなったら?前の健保から

会社を退職して国民健康保険に切り替えたあと、間もなく亡くなった場合は、注意が必要です。

会社を辞めたあとに亡くなった場合でも、以前の健康保険から埋葬料などが支給される主なケースです。5/6

以前の健康保険から埋葬料などが支給される主なケース

出所:協会けんぽ「埋葬料・埋葬費」、横浜市「葬祭費の支給」をもとにLIMO編集部作成

協会けんぽは、資格を失ってから3か月以内に亡くなった場合などは、埋葬料(費)の支給対象になるとしています。横浜市は、このように以前の健康保険から埋葬料が支給される場合、国民健康保険の葬祭費は支給されないとしています。どちらに申請するか迷ったときは、以前加入していた健康保険に確認してください。

6. FPの検証:手続きは家族で分担を

モデルケースでは、どの健康保険でも5万円を受け取れましたが、名前も申請する人も申請先も、制度ごとに違いました。葬儀のあとは、死亡届から年金や保険の手続きまで、短い期間に多くのことが重なります。

横浜市の葬祭費の申請で求められる主な書類です。6/6

葬祭費の申請で求められる主な書類

出所:横浜市「葬祭費の支給」をもとにLIMO編集部作成

葬儀社の領収書や会葬礼状は、葬祭費の申請で、喪主であることを確かめる書類として使われます。葬儀が終わったら、領収書などを1か所にまとめて保管しておくと、申請のときに慌てずに済みます。

手続きを一人で抱え込む必要はありません。誰が喪主として申請するのか、誰が書類をそろえるのかを家族で分担し、分からないことは区役所や健康保険の窓口に相談してみてください。

7. まとめ

亡くなった方が加入していた健康保険から、葬儀にかかわるお金を受け取れる場合があります。モデルケースの横浜市では、国民健康保険と後期高齢者医療制度の葬祭費がそれぞれ5万円、協会けんぽの埋葬料も5万円でした。

どれも申請しなければ受け取れず、横浜市の葬祭費は葬祭を行った日の翌日から2年で時効になります。葬儀費用そのものは見積書の明細で確かめ、受け取れるお金の申請先と期限も、早めに確認しておきましょう。

※本記事は情報提供を目的としています。葬祭費の額や申請の方法は、自治体や加入していた健康保険によって異なります。実際の手続きは、お住まいだった地域の区役所・市区町村の窓口や、加入していた健康保険にご確認ください。

参考資料

青木 里美