株式市場の振り返り-日経平均株価は4日続伸、高値更新後に一時マイナス圏へ沈む

2019年11月8日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 23,391円(+61円、+0.3%) 4日続伸
  • TOPIX 1,702.7(+4.6、+0.3%) 4日続伸
  • 東証マザーズ株価指数 857.8(▲15.9、▲1.8%) 大幅反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,028、値下がり銘柄数:1,022、変わらず:103
  • 値上がり業種数:20、値下がり業種数:13
  • 年初来高値更新銘柄数:247、年初来安値更新銘柄数:6

東証1部の出来高は16億2,680万株、売買代金は3兆1,255億円(概算)となり、いずれも前日より大幅に増加しました。特段新しいニュースはなかったようですが、決算発表後の好業績銘柄を中心に買いが優勢となるリスクオンモードが強まりました。また、ミニSQ算出に伴う嵩上げが数千億円出たと見られ、売買代金は再び3兆円を上回る活況な商いとなっています(今年6番目の商い)。

そのような中、日経平均株価は高値圏でのやや荒い値動きとなりました。寄り付きから高く推移し、前場の序盤に一時+260円高まで上昇し(年初来高値を更新)、取引時間中としては昨年10月10日以来となる23,500円台を付けました。

しかし、その直後から上げ幅を急速に縮小し、前引け間際には一時▲16円安のマイナス圏へ沈む場面が見られています。その後、後場は前日終値付近で膠着状態となりましたが、最後は少し挽回して4日続伸で終えています。ただ、この日の日中高値からは約▲200円下落した水準に止まりました。

なお、TOPIXも同じような値動きで4日続伸となり、終値で再び1,700ポイント台に乗せています。また、取引時間中には年初来高値を更新しました。

東証マザーズ株価指数は大幅反落、売買代金は63日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,884万株、売買代金798億円となり、いずれも前日より増加しました。個人投資家の物色意欲に回復の兆しが若干見られたものの、売買代金は63日連続の1,000億円割れとなりました。

また、一部主力銘柄が売られた結果、株価指数は▲2%安に迫る大幅下落となりました。これで900ポイント回復がやや遠のいた形となりましたが、今後は個人投資家の投資マインド回復次第と言えましょう。

テルモが一時+14%超高の爆騰、トヨタ自動車は3日連続の年初来高値更新

個別銘柄では、前日に決算発表を行ったテルモ(4543)が一時+14%高の大爆騰となり、年初来高値を更新しました。また、同じ医薬品株では、中外製薬(4519)も取引時間中に年初来高値更新(上場来高値更新でもあります)となりましたが、その後は売りに押されて大幅下落となっています。

さらに、自動車株では前日のザラバに決算発表を終えているトヨタ自動車(7203)が大きく値を上げて連日で年初来高値を更新し、ハイテク株ではシャープ(6753)が3日連続で年初来高値更新となりました。

その他では、金融株にも引き続き見直し買いが入り、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は今年2月に付けた年初来高値にあと一歩まで迫り、前日に好決算を発表した三越伊勢丹ホールディングス(3099)が一時+12%超高へ爆騰して年初来高値更新となったことが目を引きました。

一方、前日に発表した決算が失望売りとなった資生堂(4911)が一時▲9%安に迫る急落となりました。また、前日の決算発表で赤字転落となった楽天(4755)も一時▲5%安の急落となっています。その他では、自動車株でスズキ(7269)が再び大幅安となり、SUBARU(7270)も大きく値を下げたのが注目を集めました。

新興市場(東証マザーズ)では、前日に発表した決算で直近四半期の赤字拡大が明らかとなったメルカリ(4385)に売りが殺到し、一時ストップ安(▲20%安)まで売られ、終値も▲19%弱安の大暴落となりました。その他では、ブシロード(7803)なども大きく値を下げています。

葛西 裕一