4. 妻の保険の切り替えで注意したい3つのこと
旧被扶養者の減免は、すべての妻に同じように適用されるわけではありません。
手続きの前に知っておきたい注意点を3つ紹介します。
4.1 1.64歳以下の妻は、旧被扶養者の減免の対象外
杉並区の案内では、旧被扶養者の減免の対象は加入時点で65歳以上75歳未満の人です。
年の差夫婦で妻が64歳以下の場合、この減免は受けられず、所得割も均等割も通常どおりかかります。さらに40〜64歳の人は、国民健康保険料に介護分も上乗せされるのです。妻の年齢によって負担が大きく変わる点は、見落としやすいポイントといえるでしょう。
4.2 2.均等割の5割・7割軽減に当てはまる世帯では、旧被扶養者の減免は使われない
国民健康保険には、世帯の所得が一定以下の場合に均等割を7割・5割・2割軽減するしくみもあります。
杉並区の案内によれば、5割・7割軽減に当てはまる世帯では旧被扶養者の減免は行われず、軽減割合の高いほうが優先されるとのことです。2割軽減の世帯では、旧被扶養者の減免と合わせて均等割が5割になります。
4.3 3.届出が14日の期限を過ぎると、医療費の全額自己負担や保険料のさかのぼりが起こる
夫の誕生日のあとに妻が病院にかかると、会社の健康保険は使えません。
国民健康保険の届出が14日の期限を過ぎた場合、名古屋市の案内では、原則として届出日の前日までの医療費は全額自己負担となり、保険料は加入する事実が発生した月までさかのぼって納めることになります。夫の誕生日が近づいたら、会社から資格喪失の書類を受け取る時期を確認しておきましょう。
5. 夫の誕生月と妻が75歳になったときの扱いも確認
夫の75歳到達から妻の75歳到達までの保険の流れ3/3
出所:広島市「高額療養費の支給(後期高齢者医療制度)」、名古屋市「国民健康保険の加入・脱退」、文京区「よくある質問(後期高齢者医療)」をもとにLIMO編集部作成
夫の75歳到達で妻が国民健康保険に加入した月は、医療費の上限にも特例があります。
広島市の案内では、会社の健康保険の本人が月の途中で75歳になり、扶養されていた家族が国民健康保険に加入する場合、加入月の個人単位の高額療養費の上限額が、加入前の保険と国民健康保険でそれぞれ2分の1になるとのことです。
妻自身が75歳になったときの保険料にも、気をつけておきたい点があります。
文京区の案内では、後期高齢者医療制度の保険料で所得割がかからず均等割が2年間5割軽減される対象は、後期高齢者医療制度に加入する前日まで会社の健康保険の被扶養者だった人が対象です。夫の75歳到達で国民健康保険に移った妻は、75歳になる前日の時点では被扶養者ではないため、この軽減の対象にはならないと考えられます。具体的な扱いは、住所地の後期高齢者医療の窓口で確認してください。
6. まとめにかえて|夫の誕生日の前に、妻の保険の行き先を決めておく
会社の健康保険に加入する夫が75歳になると、扶養されていた75歳未満の妻は国民健康保険への加入などの手続きが必要です。
国民健康保険の届出の期限は14日以内です。期限を過ぎると、原則として届出日の前日までの医療費が全額自己負担となるほか、保険料もさかのぼって納めることになります。65歳以上の妻であれば、所得割の免除と均等割の5割軽減を受けられる場合もあるでしょう。
夫の誕生日が近づいたら、勤務先に資格喪失の書類の受け取り時期を確認し、住所地の市区町村の窓口で加入手続きと減免の申請方法を確かめておきましょう。
軽減の要件や申請の要否は自治体によって異なるため、最終的には住所地の国民健康保険の担当窓口に問い合わせてください。