こうしたことに不安を抱くよりも、今やっている仕事以外に何ができるのかということを考えるべきでしょう。どこの組織にもいる「仕事を抱えて離さないことで自分のポジションを守る」という人になってはいけません。積極的に自分のスキルを磨いて仕事の幅を広げていくことは、これからの時代にとって重要です。

何も、いきなり営業職にキャリアチェンジするということでなくても、たとえば今やっている仕事の問題点を見つけて、それを改善するためにさまざまなツールを利用するなどの積極性が求められる時代です。

「今勤めている会社は古い会社で変化を嫌うから、RPAなどの新たなシステムの導入なんてとんでもない」という人であっても、Excelで簡単なマクロを組んで自分なりに業務を効率化してみるなどの姿勢は重要です。もちろんこれには、ある程度のExcelの知識が必要ですが、それを自分から学びに行くという姿勢がこれからは求められていくでしょう。

業務を効率化するということは、自分の仕事を減らすことではありません。次の新たな仕事に取り掛かるための地ならしになるのです。バックオフィスで働くのであれば、これくらいの積極性をもって仕事をせずに単純な事務作業に安住しようという思考では、おそらくこれからの時代を生き残るのは難しいかもしれません。

渋田 貴正