総務省統計局が2026年9月20日に公表した「統計からみた我が国の高齢者」によると、70歳以上の人口は2911万人で、総人口の23.7%を占めています。前年より8万人増えました。70〜74歳の就業率も36.2%と、過去最高になっています。

70歳代は、仕事を続ける人と、年金を中心に暮らす人のどちらもいる年代でしょう。暮らしを考えるには、貯蓄と年金、毎月の家計をまとめて見ておくことが大切でしょう。では、70歳代の世帯はどのくらい貯蓄を持ち、年金はひと月いくらになるのでしょうか。

本記事では、J-FLEC(金融経済教育推進機構)の調査から70歳代・二人以上世帯の貯蓄の平均と中央値、金額ごとの分布を確かめていきましょう。2ページ目では、厚生年金・国民年金の平均月額と、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の家計収支を見ていきましょう。12月15日の年金支給日に届く2カ月分の目安や、中央値の貯蓄で毎月の不足を何年分まかなえるかの試算も紹介します。

この記事では、以下の記事の内容も引用・参考にしています。

【70代の貯蓄・年金・家計のリアル】老後赤字を加速させないためには?投資に頼らない防衛策を徹底解説!
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なお、公的年金の制度や平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
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1. 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄】平均・中央値はいくらか「貯蓄ゼロ」は10.9%

まずは、70歳代の世帯が持っている貯蓄の金額から見ていきましょう。

1.1 70歳代・二人以上世帯の貯蓄の平均は2416万円、中央値は1178万円

J-FLECの「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」(二人以上世帯調査)によると、世帯主が70歳代の世帯の金融資産保有額は、金融資産を保有していない世帯も含めて平均2416万円、中央値1178万円でした。同資料では、金融資産を運用のため、または将来に備えて蓄えている部分としており、預貯金のうち日常的な出し入れ・引落しに備えている部分や、土地・住宅などの実物資産は含みません。

同資料によれば、中央値は、世帯を保有額の少ない順に並べたときに真ん中にくる世帯の金額で、世帯全体の実感により近い数字と考えられます。平均は、少数の高額の資産を持つ世帯に大きく引き上げられることがあるため、わが家の貯蓄と比べるときは、中央値もあわせて見ておくとよいでしょう。

1.2 70歳代・二人以上世帯の貯蓄額の分布、貯蓄ゼロは10.9%・3000万円以上は25.2%

金額ごとの世帯の割合も確かめておきましょう。

  • 金融資産非保有:10.9%
  • 100万円未満:4.5%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:3.7%
  • 300~400万円未満:3.9%
  • 400~500万円未満:2.9%
  • 500~700万円未満:6.4%
  • 700~1000万円未満:6.7%
  • 1000~1500万円未満:11.1%
  • 1500~2000万円未満:6.7%
  • 2000~3000万円未満:12.3%
  • 3000万円以上:25.2%
  • 無回答:0.6%

出所:【70代の貯蓄・年金・家計のリアル】老後赤字を加速させないためには?投資に頼らない防衛策を徹底解説!

調査で「金融資産を保有していない」とされた世帯(以下、貯蓄ゼロ)は10.9%でした。この調査では、預貯金があっても、運用や将来の備えにあたる部分がない世帯も「金融資産を保有していない世帯」に数えられます。貯蓄ゼロといっても、預貯金がまったくないという意味ではない点に注意しておきたいところです。

貯蓄ゼロを含めて、1000万円未満の世帯を合わせると44.1%、1000万円以上の世帯を合わせると55.3%で、3000万円以上の世帯は25.2%です。

70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額の分布(2025年)1/2

70歳代・二人以上世帯の金融資産保有額の分布(2025年)

出所:J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」をもとにLIMO編集部作成

70歳代の貯蓄は、退職金があったかどうかや、これまでの働き方、住まいの状況などによって大きく変わると考えられます。分布の割合は、資産がどのように分かれているかを示すものとして読むとよいでしょう。わが家の貯蓄を、日々の暮らしに使うお金と、住まいの修繕や医療に備えるお金に分けて書き出しておくと、年末の支給日を前にこれからの家計を考えやすくなるでしょう。

ここまでをまとめると、70歳代・二人以上世帯の貯蓄は平均2416万円、中央値1178万円で、貯蓄ゼロの世帯は10.9%、3000万円以上の世帯は25.2%でした。

2. 【夫婦の年金は月いくら?】受給権者全体の平均は厚生年金15万289円、国民年金5万9310円

貯蓄とあわせて、暮らしを支える公的年金の金額も確かめておきましょう。まずは、年金の仕組みから確かめておきましょう。

公的年金制度は、しばしば「2階建て構造」に例えられます。

これは、日本の年金制度が「1階」の国民年金(基礎年金)と、「2階」の厚生年金という2つの制度で構成されているためです。

出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

日本年金機構の「公的年金制度の種類と加入する制度」では、国民年金には20歳以上60歳未満のすべての人が加入し、会社員や公務員はこれに加えて厚生年金保険にも加入する仕組みが説明されています。

2.1 厚生年金の平均月額は15万289円、月10万円未満の人は19.0%

令和6年度末の厚生年金保険(第1号)の平均月額は、厚生労働省がまとめた事業の概況で次のように示されています。

  • 〈全体〉平均年金月額:15万289円
  • 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
  • 〈女性〉平均年金月額:11万1413円

※国民年金の金額を含みます。

出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

同資料によると、厚生年金保険(第1号)の受給権者1608万5696人のうち、月額10万円未満の人は305万3974人で19.0%でした。報酬比例部分のみを受け取る65歳未満の人も含まれています。厚生年金の金額は、加入していた期間や現役時代の収入によって決まるため、同じ厚生年金でも人によって幅が出ると考えられます。わが家の年金を考えるときは、平均よりも、夫婦それぞれが厚生年金にどのくらいの期間加入していたかを思い出しておくとよいでしょう。

2.2 国民年金の平均月額は5万9310円、月6万円台の人が51.3%

次に、国民年金(老齢基礎年金)の平均月額も見ておきましょう。

  • 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
  • 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万7582円

出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

同資料では、この平均には、厚生年金を上乗せで受け取っている人の基礎年金も含まれています。月額6万円以上7万円未満の人は1715万5059人で、受給権者の51.3%でした。なお、令和8年度の老齢基礎年金の満額は、厚生労働省の年金額改定のお知らせで月7万608円(生年月日が昭和31年4月1日以前の人は月7万408円)とされています。国民年金だけで暮らす場合は、満額でも月7万円ほどのため、貯蓄や働いて得る収入とあわせて家計を考えておく必要があるでしょう。