いまはだいぶこういった風潮もなくなってきましたが、まだ残っているところもあります。これまでそういう「常識」に慣れていた私たちは、たまにそういう「常識」を押し付ける人がいても「まだ新しい文化になじめていないんだな」と、少し寛容な心で見ることができます。

しかし、新人にはそんな「常識」はまるっきり通用しません。飲み会に強引に誘えば、「やばい上司がいた」と言われるだけ。「お酌をしなさい」と言ったら「なんでそんなことを気にかけないといけないの? 意味わかんない」と言われておしまいです。

昨今はハラスメント問題が話題になったり、働き方改革が進められたりして、そうした文化はだいぶなくなってきましたよね。しかし、そうした意識がきちんと浸透していないと、新人から「やばい職場」認定されてしまい、離職した新人たちは「やばい職場から逃げられた」と笑うだけです。

新人は会社と社員の関係を見ている

また、いまの新人はネットなどを通じて色々な文化に触れることができる環境に身を置いていることもあって、多種多様な考え方を持っています。その中でも、「会社と社員は対等であるべき」と考えている新人は少なくありません。会社が少しでも従業員に不利なことをしたら、そのことに敏感に反応します。

雇用契約書にないサービス残業を強いたら「なぜ無償で奉仕しなければならないのか」、無理に休日出勤を求めたりしたら「じゃあその見返りは?」と考えるのです。これはよく考えると当然のことで、本来なら疑問を感じるべきだったのに、これまではそれを自然に受け入れてしまっていたとも言えます。

権利と義務に敏感で、多種多様な文化や思想を柔軟に取り入れることのできる新人は、会社と社員の関係を見ています。社員ときちんとした関係を築けていない会社には勤めません。よりフェアに付き合える会社を求めて転職したり、独立したりすることになるでしょう。

まとめ

いまの新人たちと付き合っていくためには、彼らの考え方や価値観を理解する必要があります。新人だからとナメてかかるのではなく、彼ら一人一人を個人として尊重し、話に耳を傾けてみましょう。意外とこちらが教えられることもあるかもしれませんね。

大塚 ちえ