4. 個人向け国債の利子には20.315%の税金がかかり、NISAのような非課税の扱いはない

NISAでは、口座で買った株式や投資信託の配当や値上がり益に税金がかかりません。個人向け国債は、利子を受け取るときに税金が差し引かれます。

4.1 非課税にできるのは、マル優・特別マル優の適用を受けた場合

財務省は、国債の利子は受け取るときに20.315%分の税金が差し引かれると案内しています。ただし、障害者などの非課税貯蓄制度(いわゆるマル優、特別マル優)の適用を受けると非課税にできます。

4.2 10月募集分の固定5年は、税引後で年1.9044715%

10月募集分の固定5年は、税引前の年2.39%に対して、税引後は年1.9044715%です。額面100万円あたりで計算すると、1年分の利子のうち4855円ほどが税金として差し引かれます。

NISAの年間投資枠や非課税保有限度額(1800万円)は、個人向け国債には関係しません。個人向け国債を買っても、NISAの枠は減らない一方、利子には税金がかかります。

5. 個人向け国債は発行から1年たてば中途換金できるが、直前2回分の利子相当額が差し引かれる

NISAで買った株式や投資信託は、売るときの値段が日々変わります。個人向け国債の中途換金は、国が額面金額で買い取り、そこから中途換金調整額を差し引く仕組みです。

5.1 中途換金では、直前2回分の利子相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれる

個人向け国債は、発行後1年を経過すれば、額面1万円単位で中途換金できます。償還金額は中途換金のときも額面100円につき100円ですが、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれます。

5.2 発行から1年は、災害や保有者の死亡のとき以外は換金できない

災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害で被害を受けた場合や、保有者本人が亡くなった場合は、1年たつ前でも中途換金できる特例があります。それ以外は、発行から1年間は中途換金ができません。

6. NISAと個人向け国債は、お金を使う予定の時期で分けて考える

富裕層や法人のお客さまのご相談を受けていた経験からお伝えすると、NISAと国債のどちらにするかを考えるときは、先に「そのお金をいつ使う予定か」を確かめておきたいところです。

6.1 数年のうちに使う予定のお金は、値動きがあるかどうかを先に確かめる

NISAで買う投資信託や株式は、値上がりすることもあれば、使いたい時期に値下がりしていることもあります。個人向け国債は、満期には額面金額で償還され、中途換金では直前2回分の利子相当額(税引前)×0.79685が差し引かれます。また、利子には税金がかかり、発行から1年は換金できません。

数年のうちに使う予定が決まっているお金と、当面使う予定のないお金を分けて、それぞれの決まりを確かめておくと、商品を選ぶときに迷いにくくなります。

6.2 個人向け国債を買うには、国債の口座が別に必要

個人向け国債は、証券会社や銀行、郵便局などの金融機関で国債専用の口座を開設して購入します。NISA口座とは別の口座になるので、口座の開設や維持に手数料がかかるかどうかも、取扱金融機関で確かめておくとよいでしょう。

7. まとめ

個人向け国債の11月募集分は11月9日から30日まで募集され、利率は前営業日の11月6日に公表される予定です。10月募集分は、固定5年が年2.39%、固定3年が年2.07%、変動10年が年2.05%でした。

個人向け国債はNISAの対象外で、2026年1〜6月の発行額は4兆5228億円、同じ期間のNISAの買付額は約13兆8214億円でした。利子にかかる税金と、発行から1年は換金できない決まりもあわせて確かめておくとよいでしょう。

※本記事は個人向け国債とNISAの仕組みを解説するもので、特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。

参考資料

安達 さやか