2019年に金融庁が発表した「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」。その中で、「老後は年金だけでは生活費が平均で2,000万円足りなくなる」という内容が話題になりました。その後「議題としない」ことを決定し、事実上の撤回となりました。

しかし一連の報道から、自分は大丈夫かな?と不安になった人も少なくないですよね。そこでこの記事では、みんなが老後までにどのくらいお金を貯めているのか、そして、どうやって老後資金を貯めていけば良いのかを紹介していきます。

実際に貯蓄ができるようになるのは40代以降

総務省は2019年5月17日、「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)」を発表しました。これによると、2人以上の世帯における貯蓄現在高の平均は1,752万円、負債現在高の平均は558万円となっています。

1,752万円という金額を見ると「そんなに貯めているの?」と焦ってしまうかもしれませんよね。でも、1,752万円はあくまで平均値なので、それを下回る世帯もあります。

調査報告を見ると、その割合は67.7%と約3分の2を占めています。また、100万円未満の世帯も11%という結果になっています。平均値1,752万円を下回る世帯が3分の2を占めるにも関わらず、1,752万円という数値が出たのは、現在の高齢者の貯蓄が平均を押し上げたからです。

具体的な貯蓄額は60代は2,327万円、70歳以上の世帯が2,249万円となり、平均を大きく上回っています。さらに50代も1,778万円で全体の平均値を上回る結果となりました。一方で、世帯主が働き盛り世代の40代未満の場合は貯蓄現在高の平均は600万円、40代でも1,012万円となっています。

負債現在高を見ると、全体の平均値は558万円ですが、40歳未満の世帯が1,248万円と最も多く、貯蓄現在高の平均である600万円の約2倍の負債があることになります。また、40代の負債現在高は1,105万円と貯蓄額を若干下回るレベルです。負債の大半は住宅・土地のローンで、年代が上がるほど負債額は減っていくことがわかります。

貯蓄額が増える理由には退職金も