4. 固定電話を解約しても、電電債のお金は戻ってこない

電電債は、電話を引くときに買ったものなので、電話の契約と結びつけて考える人も多いようです。ただ、NTTの案内によると、電電債と電話加入権はまったく別のものです。

  • 電電債(加入者債券):日本電信電話公社が資金を集めるために発行した債券
  • 電話加入権:加入電話の契約にもとづいて、電話を使うことができる権利
  • 施設設置負担金:回線の建設費用の一部を基本料の前払いのような形で負担するもので、解約しても返還されない

つまり、固定電話を解約したからといって、電電債のお金が戻ってくるわけではありません。電電債を受け取るには、あくまで債券の現物を金融機関に持っていくことになります。

電電債は、通帳がある預金とは性格がまったく違います。預金は名義と口座の記録で本人を確かめますが、無記名の債券は現物そのものが受け取る権利になるため、紙を手放したりなくしたりすると受け取れなくなるおそれがある点は押さえておきたいところです。

5. 電電債をなくした・証書しかない場合は?保護預り証書や計算書だけでは受け取れない

債券を買ったときの書類は残っているのに、肝心の債券が見つからないこともあります。NTTの案内では、次の書類だけでは元利金を受け取れないとされています。

  • 保護預り証書
  • 債券を手放したときの報告書(売付報告書)
  • 代金の計算書(債券代金計算書)

電話を引いたときに債券を買っていても、その多くはすぐに証券会社などに売られていたとNTTは説明しています。手元に計算書しか残っていない場合は、すでに売却していた可能性もあります。

債券そのものをなくした場合は、簡易裁判所に「公示催告」を申し立てることで、元利金を受け取れる場合があるとされています。必要な書類や手続きは、申し立てる簡易裁判所や弁護士などに相談してみてください。

6. 相続や片付けで出てきた電電債は?NTTから持ち主への連絡はない

電電債は無記名なので、贈与や相続で受け継ぐこともできます。たとえば亡くなった親の遺品から出てきた場合でも、現物があれば、期限までに受け取りの手続きができます。

一方で、NTTは持ち主を特定できないため、期限について一人ひとりに知らせることはしていません。2027年7月5日の期限は、自分で気づいて動かなければならない点に注意しましょう。

相続で受け取る場合の書類は、NTTの案内には書かれていません。手続きの書類は取扱金融機関ごとに違うとされているので、窓口に行く前に問い合わせておきましょう。

7. 電電債は2027年7月5日までに、裏面の金融機関の窓口で受け取る

電電債の元利金は、時効が完成した今もNTTが支払いを続けていますが、2027年7月5日で終わります。受け取るには、債券の現物と本人確認書類を持って、裏面に書かれた金融機関の窓口へ行きます。

実家や遺品の中に「電信電話債券」「割引電信電話債券」と書かれた紙がないか、年末の片付けのついでに探してみてください。見つかったら、NTTの読替表で今の金融機関名を確かめ、来店前に必要な書類を問い合わせておくと手続きがスムーズです。

電電債について分からないことは、NTTの電信電話債券お問い合せ窓口(0570-033180、有料、平日9時30分〜12時・13時〜17時)で聞くことができます。

参考資料

中本 智恵