実家の片付けや引っ越しの準備をしていて、古い封筒から「電信電話債券」と印字された紙が出てきたという人もいるのではないでしょうか。「電電債」と呼ばれてきたこの債券は、今でもお金に換えられます。
NTTの案内によると、電電債の元金と利子(元利金)の支払いは2027年7月5日で終わります。すでに最後の発行から40年以上たっていますが、期限までなら、債券の現物と引き換えに受け取れる仕組みです。
この記事では、電電債とはどんな債券なのか、いつまでにどこで受け取ればよいのかを、NTTの公表資料をもとに整理します。
1. 電電債(電信電話債券)とは?1953〜1983年に電話を引くときに買った債券
電電債は、正式には「加入者等引受電信電話債券(加入者債券)」といいます。NTTの前身の日本電信電話公社が、資金を集めるために発行した債券です。
1953年から1983年までのあいだに電話などの架設を申し込んだ人は、当時の法律にもとづいて、この債券を買っていました。主な特徴は次のとおりです。
- 発行時期:1953年1月〜1983年3月
- 券面の表示:「電信電話債券」または「割引電信電話債券」
- 種類:利子がつく利付債と、利子の分を差し引いて売られた割引債の2種類
- 満期:利付債は約10年、割引債は約8〜12年
- 利率:発行した時期によって異なる
電電債は持ち主の名前が書かれていない「無記名」の債券です。そのため、持っている人が債券そのもの(現物)を窓口に出すことで、お金を受け取る仕組みになっています。
2. 電電債の支払いは2027年7月5日まで。時効が完成した今も受け取れる
電電債の元金は満期日から10年、利子は利払日から5年で時効になると、法律で決められています。最後の満期は1993年3月だったので、2003年3月までにすべての電電債の時効が完成しました。
電電債はすべての時効が2003年3月までに完成していますが、元利金の支払いは2027年7月5日まで続きます1/2
出所:NTT「電信電話債券(加入者債券)をお持ちのお客様へ」をもとにLIMO編集部作成
それでもNTTは、これまで時効を持ち出さずに、債券の現物と引き換えに支払いを続けてきました。ただ、すべての満期日から長い年月がたち、支払いのための体制を保つのが難しくなってきたことなどから、2027年7月6日以降は時効を理由に支払いを終えるとしています。
NTTは2017年7月5日にこの期限を知らせ、2025年7月4日にもあらためて案内を出しています。期限を過ぎると受け取れなくなるため、手元にある人は早めに手続きをしておきましょう。
3. 電電債の受け取り方は、現物と本人確認書類を持って裏面の金融機関の窓口へ
電電債の元利金は、NTTの窓口では受け取れません。NTTの案内によると、債券の裏面に書かれている金融機関(元利金支払場所)の窓口で手続きをします。
- 持っていくもの:債券の現物と、本人であることを確認できる書類
- 手続きの場所:券面の裏面に書かれた取扱金融機関の窓口
- 郵送での手続き:できない
- 受け取れる金額:利付債は元金と税引き後の利子、割引債は元金
電電債が発行されたあと、合併などで名前が変わった金融機関もあります。NTTは、裏面の金融機関名が今のどの金融機関にあたるかを示した「読替表」を公開しているので、窓口に行く前に見ておくと安心です。
近くに取扱金融機関がない場合も、最寄りの金融機関が取り次いでくれることがあります。取り次ぎができるかどうかや手数料の有無、必要な書類は金融機関によって違うので、来店する前に問い合わせてください。