3. 【9月募集の応募額は?】固定5年が5293億円、変動10年が3456億円、固定3年が1503億円
日程とあわせて、実際にどのくらい買われているのかも見ておくと、国債への関心の高さがつかめます。財務省が10月6日に公表した9月募集の応募額を確かめます。
3.1 個人向け国債の応募額(令和8年9月)
財務省「個人向け国債の応募額(令和8年9月)」によると、9月募集の種類ごとの応募額は、変動10年(第198回債)が3456億円、固定5年(第186回債)が5293億円、固定3年(第196回債)が1503億円でした。発行日は令和8年10月15日でした。
3つのタイプのなかでは、固定5年の応募額が最も多くなっています。同資料では、計数は取扱機関からの報告をもとに作成していて、報告の訂正などで数字が変わることがあるとしています。応募額の大きさは、その月の利率や金利の動きへの関心も映していると考えられます。
3.2 応募額を見るときのポイント
応募額は、ほかの人がどのタイプを選んでいるかを知る手がかりになりますが、自分に合うタイプとは限りません。固定5年は満期までの5年間利率が変わらず、変動10年は半年ごとに利率が見直されます。お金を使う予定の時期と、金利が動いたときの受け取り方の違いを考えて、タイプを選ぶことが大切です。
応募額は月ごとに公表されているため、11月や12月の募集のあとにも、どのタイプが選ばれているかを続けて見ていくと、国債への関心の移り変わりがわかりやすくなるでしょう。
ここまでをまとめると、個人向け国債の11月の募集は11月9日から30日まで、12月の募集は12月7日から30日までの予定で、利率は募集開始日の前営業日に公表されます。12月の募集分からは「個人向け国債プラス」に名前が変わり、一部の法人等も買えるようになりますが、個人が買う商品の仕組みは変わりません。日程と利率の公表日を押さえておくことが、慌てずに選ぶ手がかりになります。
4. 【11月・12月の募集の前に】利率の公表日と口座、お金を使う時期を確かめる
11月や12月の募集を考えているときに、まず確かめたいのは日程と利率です。公表日、口座、お金を使う時期の順に見ていきましょう。
4.1 利率の公表日を書き込んでおく
11月の募集の利率は11月6日(金)、12月の募集の利率は12月4日(金)に公表される見込みです。公表されたら、財務省や金融機関の案内で3つのタイプの利率を確かめ、前の月の利率と並べてみると、金利の動きがつかみやすくなるでしょう。固定5年・固定3年は買ったときの利率が満期まで続き、変動10年は半年ごとに見直されるため、同じ利率でも受け取り方が変わる点も思い出しておきましょう。
4.2 国債を買える口座と、金融機関ごとの日程を確かめる
初めて買う場合は、金融機関に国債が買える口座が必要です。取り扱っている国債の種類や募集期間は金融機関によって違うことがあるため、買う予定の金融機関の案内で日程を確かめ、口座の準備に時間がかかる場合も考えて、早めに動いておきたいところです。
財務省のFAQ「国債はいくらで購入できますか」によると、国債を買うときの手数料は不要です。一方で、金融機関によっては、口座の開設や維持に手数料が必要になることがあります。口座を開く前に、手数料の有無も確かめておくとよいでしょう。
4.3 お金を使う時期と、中途換金のルールを照らし合わせる
個人向け国債は、発行後1年間は原則として中途換金ができません。12月の募集分なら、発行日は令和9年1月15日です。そこから1年は手元に戻せないお金だと考え、家計の中でいつ使うお金なのかを決めておくことが、これからの暮らしとお金の計画を立てる手がかりになります。
5. まとめにかえて
11月や12月の募集を考えているなら、まずは利率の公表日と募集の締め切りを、スマートフォンの予定表などに入れておきましょう。次に、買う予定の金融機関で、口座があるか、口座の開設や維持に手数料がかかるかを確かめておけば、公表のあとも慌てずにすみます。そして、そのお金をいつ、いくら使う予定なのかを決め、発行から1年は手元に戻せなくても困らないかを確かめたうえで、3つのタイプから選ぶようにしましょう。
ただ、国債は「いつ買うか」だけでなく、「いつまで使わないお金か」で選ぶものでもあると考えられます。募集の日程と利率の公表日を知っておくと、慌てて決めずにすみ、自分に合うタイプを考える時間が生まれるでしょう。12月の募集から名前が変わっても、個人にとっての商品の仕組みは変わらないと考えると、ニュースの見え方も少し落ち着いてくるかもしれません。
国債を家計の中でどう位置づけるかは、預貯金や今後の収入、使う予定の時期によって変わってきます。日程を確かめるのとあわせて、これからのお金の使い道を書き出しておくことが、この先の選択肢を広げる手がかりになるでしょう。
6. 免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の金融商品の購入や預け入れについて助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 購入や預け入れの判断は、財務省や各金融機関の最新の情報をご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 個人向け国債の利率や預金の金利、商品の条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
参考資料
- 財務省「発行スケジュール」
- 財務省「個人向け国債の法人等への販売対象拡大について」
- 財務省「「個人向け国債の法人等への販売対象拡大」に関するQ&A」
- 財務省「個人向け国債の応募額(令和8年9月)」
- 財務省「国債はいくらで購入できますか」
宮野 茉莉子
