3. 【途中で換金できる?】発行から1年たてば1万円単位で。直前2回分の利子相当額×0.79685が差し引かれる
国債を買う前に確かめておきたいのが、途中でお金が必要になったときの扱いです。換金できる時期と、そのときに差し引かれるお金の計算のしかたを確かめます。
3.1 個人向け国債の中途換金は1万円単位、差し引かれるのは直前2回分の利子(税引前)相当額×0.79685
個人向け国債は、発行後1年を経過すれば、額面1万円単位で中途換金できます。換金するときは、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた金額が差し引かれます。元本は額面金額100円につき100円で戻ります。
たとえば、10月募集の固定5年を100万円購入した場合、半年ごとの利子(税引前)は1万1950円で、直前2回分を合わせると2万3900円です。中途換金するときには、この2万3900円に0.79685を掛けた金額が差し引かれる計算になります。
3.2 発行から1年間は原則として換金できない、例外は災害救助法の対象となる大規模な自然災害と保有者本人の死亡
発行後1年間は、原則として中途換金ができません。ただし、災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害で被害を受けた場合や、保有者本人が亡くなった場合には、この期間に関わらず中途換金できる特例があります。財務省のサイトには、中途換金のときに差し引かれる金額などを試算できるシミュレーションもあります。
こうしたルールを考えると、個人向け国債は、少なくとも1年は使う予定のないお金で買うのが基本だと考えられます。
中途換金の仕組みがあることは、いざというときの支えになります。一方で、換金すると利子の一部が差し引かれるため、換金しなくてすむように、生活費や近いうちに使うお金を別に確保しておくことが大切です。国債は「しばらく使わないお金」の置き場所の一つとして考えるとよいでしょう。すぐに使う可能性のある生活費は、出し入れしやすい預金に残しておくなど、お金の置き場所を分けておきましょう。
ここまでをまとめると、個人向け国債は1万円から買え、10月募集の利率は固定3年が年2.07%、固定5年が年2.39%、変動10年が年2.05%です。証券会社・銀行・郵便局などで国債専用の口座を開いて申し込み、中途換金は発行から1年たってから、直前2回分の利子相当額×0.79685が差し引かれます。買う前に、口座と手数料、換金のルールを確かめておくことが大切です。
4. 【買う前に】募集期間と口座、使う予定のないお金かを確かめる
個人向け国債を検討するときに、まず確かめたいのは募集期間と利率の決まり方です。10月の募集は10月30日まで、次の11月の募集は11月9日から30日までの予定です。固定5年・固定3年の利率のもとになる基準金利は、募集期間開始日の2営業日前の市場の利回りをもとに計算されます。財務省は、各募集の利率を募集開始日の前営業日から公表しています。募集期間と利率の決まり方を知っておくと、どの月の募集で買うかを落ち着いて選びやすくなるでしょう。
次に、買う金融機関と口座を確かめます。財務省の取扱金融機関の一覧で、ふだん使っている金融機関が扱っているか、インターネットで買えるかを見ておくとよいでしょう。口座の開設に数日かかる場合もあるので、募集期間の終わりぎりぎりにならないよう、早めに準備しておきたいところです。
そして、買うお金の目的を確かめます。発行後1年間は原則として中途換金ができず、換金するときには利子相当額が差し引かれます。途中で使う可能性が少しでもあるお金なら、その分は預金に残しておくなど、分けて考えておきましょう。家計の中で、いつ使う予定のお金なのかを分けて考え、生活費や近いうちに使うお金とは別に、無理のない範囲で検討していきましょう。満期を迎えたときにそのお金を何に使うのかまで考えておくと、固定3年・固定5年・変動10年のどれが自分の予定に合うのかも選びやすくなります。
個人向け国債の利子は、半年ごとに受け取ります。受け取った利子を生活費に回すのか、そのまま残しておくのかも決めておくと、家計の中で国債が果たす役割がはっきりしてくるでしょう。
個人向け国債の場合、発行から1年間は原則として換金できないことや、換金するときに利子の一部が差し引かれることを知っておくと、お金の置き場所を考えやすくなります。家計のお金を「すぐ使うお金」「いずれ使うお金」「しばらく使わないお金」に分けてみると、どこに国債がなじむのかが見えてくるでしょう。迷ったときは、取扱金融機関の窓口や財務省のサイトで、商品の仕組みを確かめてから決めることをおすすめします。
同じ金額でも、置き場所によって使いやすさや増え方は変わります。国債を買うかどうかだけでなく、家計全体の中でお金をどう分けておくかを考える機会にしてみてください。11月の募集が始まる前の今は、仕組みを落ち着いて確かめるのにちょうどよい時期といえるでしょう。
5. 免責事項
- 本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、特定の金融商品の購入や預け入れについて助言や推奨するものではありません。
- 本記事上の情報に起因、また関連して生じた損害や損失に関しては一切の責任を負いません。
- 購入や預け入れの判断は、財務省や各金融機関の最新の情報をご自身でご確認の上、自己責任で行ってください。
- 個人向け国債の利率や預金の金利、商品の条件などは変更される可能性があるため、必ず公式サイトでご確認ください。
参考資料
宮野 茉莉子
