株式市場の振り返り-日経平均株価は小幅続伸、取引時間中に連日の年初来高値更新

2019年11月6日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 23,303円(+51円、+0.2%) 小幅続伸
  • TOPIX 1,694.4(+0.2、+0.02%) わずかに続伸
  • 東証マザーズ株価指数 871.3(▲4.7、▲0.5%) 反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,009、値下がり銘柄数:1,039、変わらず:106
  • 値上がり業種数:24、値下がり業種数:9
  • 年初来高値更新銘柄数:200、年初来安値更新銘柄数:2

東証1部の出来高は13億8,852万株、売買代金は2兆4,823億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。米国株の史上最高値更新、米中貿易摩擦問題の緩和期待、円安進行など前日同様に好材料が出揃いましたが、高値警戒感もあり、様子見スタンスが強まりました。売買代金は前日より約▲6,000億円減りましたが、2兆5,000億円水準を確保しています。

そのような中、日経平均株価はほぼ終日プラス圏で推移しましたが、上値が重い展開となりました。寄り付き直後に一時+100円高(年初来高値を更新)となりましたが、前場の半ばに一時▲5円安のマイナス圏へ沈む場面も見られました。その後、後場はプラス圏で推移しましたが、膠着感が強まったようです。それでも、小幅続伸で引け、終値は23,300円台に乗せてきました。

なお、TOPIXも同じような値動きで、取引時間中に1,700ポイント台を回復する場面がありましたが(年初来高値を更新)、最後はかろうじてプラスを維持するに止まりました。

東証マザーズ株価指数は反落、売買代金は61日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は3,793万株、売買代金624億円となり、いずれも前日より減少しました。個人投資家の物色意欲には回復の兆しが一向に見られず、売買代金は61日連続の1,000億円割れとなりました。

また、株価指数も反落となり、依然として900ポイント回復に及ばない状況です。いずれにせよ、商い、株価水準ともに、盛り上がりを見せる大型株式市場と好対照の結果となりました。

シャープが爆騰して年初来高値を更新、富士フイルムHDは一時▲7%超安の急落

個別銘柄では、KDDI(9433)、ダイキン工業(6367)、信越化学工業(4063)、トヨタ自動車(7203)などが年初来高値更新となりました。

また、ハイテク株では、先週末の2019年度Q2決算発表で業績の底打ち感が出たシャープ(6753)が+13%超高の爆騰で高値引けとなり(年初来高値更新)、ソニー(6758)、TDK(6762)、村田製作所(6981)が連日で年初来高値を更新しましたが、ソニーはその後に売りに押されて下落しています。

その他では、三菱商事(8058)が取引時間中の決算発表で通期業績予想を下方修正しましたが、悪材料出尽くしと受け止められ、発表直後から急騰して引けたのが目を引きました。

一方、前日の大引け間際に乱高下を演じた富士フイルムホールディングス(4901)が一時▲7%超安の急落となり、終値も▲4%超安の大幅下落となりました。

また、前日に決算発表を行ったスズキ(7269)は一時▲4%安の大幅下落となり、取引時間中に通期業績予想の下方修正を発表したSUBARU(7270)は直後に一時▲5%安に迫る急落となりましたが、その後は買い戻されて終値は小幅安に止まっています。

その他では、前日の決算発表が失望売りを呼んだアサヒグループホールディングス(2502)が一時▲7%超安の急落となったことが注目を集めました。

新興市場(東証マザーズ)では、文科省が大学入試における英語民間試験導入延期を発表したことを受けて連日のストップ安だったEduLab(4427)が、ストップ安こそ免れたものの大幅続落となりました。また、そーせいグループ(4565)やサンバイオ(4592)も安く推移し、ウォンテッドリー(3991)は年初来安値更新となっています。

葛西 裕一