4. 2026年の給与にかかる個人住民税は、2027年6月から2028年5月にかけて納める

所得税と個人住民税は、かかる年と納める時期がずれます。2026年の給与にかかる個人住民税が、いつ、どのように差し引かれるかを確認します。

4.1 個人住民税は前年の所得に、所得税はその年の所得にかかる

個人住民税は「前年所得課税」で、2026年1月から12月の所得をもとに、令和9年度分として課税されます。所得税は「現年所得課税」で、2026年の所得には令和8年分の所得税がかかり、給与なら源泉徴収と年末調整で精算されます。

そのため、2026年の給与収入を119万円以下に抑えたかどうかの結果は、2027年度の個人住民税に表れます。

4.2 給与から差し引く特別徴収は、6月から翌年5月までの12回

勤め先で個人住民税を差し引く特別徴収の場合、令和9年度分は2027年6月から2028年5月までの給料から毎月差し引かれます。

12月の年末調整で所得税が戻ってきても、翌年6月からは個人住民税の天引きが始まります。年末調整の還付と、翌年度の個人住民税は別々に見ておきましょう。

4.3 勤め先で差し引かれない普通徴収は、6月・8月・10月・翌年1月の4回

勤め先で差し引かれない人は、納税通知書で自分で納める普通徴収になります。練馬区の場合、普通徴収の納期は6月、8月、10月、翌年1月の年4回です。

収入が減った翌年に住民税の通知を見て、負担の重さに驚くこともあるでしょう。前年の収入で決まる税金だと分かっていれば、年の途中で働き方を変えるときも、翌年度の分を取り分けておけます。

5. 個人住民税は給与収入119万円を1万円超えると、年0円から6500円になる

個人住民税の非課税の目安を少し超えたとき、税額がどう動くかを見ておきます。所得税と違う点が2つあります。

5.1 非課税の判定は合計所得金額45万円、税額の計算は基礎控除43万円で行う

単身の人が個人住民税の非課税になるかどうかは、合計所得金額45万円以下かどうかで判定します。一方、税額を計算するときに差し引く基礎控除は43万円です。

給与収入120万円の場合、給与所得は46万円で45万円を超えるため、非課税になりません。所得割は、46万円から基礎控除43万円を引いた3万円に10%をかけた3000円から、調整控除1500円を引いて1500円です。

5.2 非課税でなくなると、均等割と森林環境税の5000円がまとめてかかる

非課税の目安を超えると、所得割に加えて均等割と森林環境税の年5000円がかかります。給与収入119万円なら0円だった個人住民税が、120万円では年6500円になります。

所得税は、課税される所得に税率をかけるので、178万円を少し超えた部分にだけ税金がかかります。個人住民税は、非課税の目安を超えると均等割の分が一度に加わる点が違います。

5.3 調整控除の基礎控除分は、所得税との差にかかわらず5万円で計算する

調整控除は、所得税と個人住民税の人的控除の差による負担増を調整するしくみです。合計課税所得金額が200万円以下なら、人的控除額の差の合計額と合計課税所得金額のいずれか少ない額の5%が差し引かれます。

基礎控除の差は、所得税の基礎控除がいくらであっても5万円として計算します。所得税の基礎控除が104万円に上がっても、個人住民税の調整控除は増えません。

年収の壁の金額は、所得税・個人住民税・社会保険で別々に決まっています。12月の給与明細で所得税を、2027年6月の給与明細で個人住民税を確かめると、2026年の働き方がどちらの税にどう表れたかが分かります。

6. まとめ

2026年の給与収入では、所得税は基礎控除104万円と給与所得控除74万円で178万円まで、個人住民税は基礎控除43万円のままで、単身なら119万円までかからないのが目安です。119万円を超え178万円以下の部分では、所得税は0円でも個人住民税がかかり、給与収入150万円の計算例で年3万5500円でした。

令和9年度分の個人住民税は、勤め先で差し引く場合、2027年6月から2028年5月までの給与から納めます。年末調整で戻る所得税とは時期が違うため、翌年度の個人住民税の分も見込んで、働く時間を考えておきましょう。

参考資料

和田 直子