3. 【子ども・子育て支援金】拡充された児童手当を支える財源の一部

拡充された児童手当の財源の一部として、2026年度から「子ども・子育て支援金」の徴収が始まりました。医療保険に入っている人が、保険料とあわせて納める仕組みです。

3.1 2026年4月分から医療保険料とあわせて徴収

こども家庭庁によると、会社員などが入る被用者保険では、2026年4月分の保険料から支援金の拠出が始まり、5月の給与から差し引かれています。被用者保険の支援金率は2026年度で0.23%で、基本的に半分は勤め先が負担します。

国民健康保険と後期高齢者医療制度も、2026年4月分から拠出の対象です。具体的に徴収が始まる時期は、国民健康保険はお住まいの市町村、後期高齢者医療制度は加入している広域連合に確かめるよう案内されています。

3.2 充てる先は児童手当の拡充分など

こども家庭庁の資料では、支援金を充てる事業として、児童手当の拡充、妊婦のための支援給付、こども誰でも通園制度、出生後休業支援給付などが挙げられています。児童手当には、拡充分を含む全体に支援金が充てられるほか、勤め先が負担する子ども・子育て拠出金や公費も使われます。

支援金で給付が改善される額は、こども1人あたり高校生年代までの合計で約146万円とされています。これは児童手当の拡充分だけでなく、妊婦のための支援給付などを合わせた額で、もとからの平均的な児童手当約206万円と合わせると約352万円になるという試算です。

3.3 総額は2028年度に概ね1兆円

支援金の総額は、2026年度が概ね6000億円、2027年度が概ね8000億円、2028年度が概ね1兆円と見込まれています。医療保険の加入者1人あたりの平均月額も、年度を追って上がる見込みです。

子ども・子育て支援金の総額と、加入者1人あたりの平均月額の見込み2/2

子ども・子育て支援金の2026年度から2028年度までの1人あたり平均月額と総額を示した棒グラフ

出所:こども家庭庁「子ども・子育て支援金の概要」を参考にLIMO編集部作成

  • 2026年度:月約250円(総額 概ね6000億円)
  • 2027年度:月約350円(総額 概ね8000億円)
  • 2028年度:月約450円(総額 概ね1兆円)

金額は、勤め先の負担分を除いた本人の拠出分です。こども家庭庁は、社会保障の歳出改革で社会保険料の負担を軽くし、その範囲で支援金を集めるため、支援金による実質的な負担はないと説明しています。

4. 国民健康保険と後期高齢者医療の支援金分は所得に応じて軽減される

国民健康保険と後期高齢者医療制度では、支援金分も医療分の保険料と同じように、所得の低い世帯への軽減があります。こども家庭庁の資料にある2028年度の試算から、1人あたりの月額の目安を見てみましょう。

4.1 18歳以下の子どもの均等割は全額軽減

国民健康保険の支援金分では、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもについて、均等割額が全額軽減されます。子どもがいる世帯の拠出額が増えないようにするための措置です。

国民健康保険の保険料は、加入している人数に応じてかかる均等割と、所得に応じてかかる所得割などを合わせて計算します。このうち子どもの人数で増える部分が、支援金分ではかからない形です。

4.2 国民健康保険の試算例

夫婦と子ども1人の3人世帯で、収入が夫の給与収入だけの場合の、1人あたりの支援金額(2028年度・月額)の試算です。

  • 給与収入80万円:50円(応益分の7割軽減)
  • 給与収入160万円:150円(応益分の5割軽減)
  • 給与収入200万円:200円(応益分の5割軽減)
  • 給与収入300万円:400円(応益分の2割軽減)
  • 給与収入400万円:550円(軽減なし)
  • 給与収入600万円:800円(軽減なし)
  • 給与収入800万円:1050円(軽減なし)

4.3 後期高齢者医療の試算例

単身世帯で、収入が年金だけの場合の、1人あたりの支援金額(2028年度・月額)の試算です。

  • 年金収入80万円:50円(均等割の7割軽減)
  • 年金収入160万円:100円(均等割の7割軽減)
  • 年金収入180万円:200円(均等割の5割軽減)
  • 年金収入200万円:350円(均等割の2割軽減)
  • 年金収入250万円:550円(軽減なし)
  • 年金収入300万円:750円(軽減なし)

4.4 実際の額は保険料の通知書で確かめる

国民健康保険と後期高齢者医療制度の支援金額は、市町村や広域連合の条例で決まるため、住んでいる地域によって違います。上の金額はあくまで国の試算です。

自分の世帯の額は、市町村や広域連合から届く保険料の決定通知書や納入通知書で確かめられます。保険料の計算を担当していた頃も、通知書の内訳を一緒に見ながら説明すると、軽減が効いているかどうかが伝わりやすいと感じてきました。

5. まとめにかえて

児童手当は、3歳未満が月1万5000円、3歳以上から高校生年代までが月1万円、第3子以降が月3万円です。12月には10月分と11月分の2か月分が届きます。

2024年10月分からの拡充を支える財源の一部が、2026年4月分から医療保険料とあわせて集められている子ども・子育て支援金です。加入者1人あたりの平均月額は2026年度の約250円から2028年度は約450円に上がる見込みで、国民健康保険と後期高齢者医療制度では所得に応じた軽減や、18歳以下の均等割の全額軽減があります。

児童手当の手続きや支給日はお住まいの市区町村(公務員は勤務先)に、支援金を含む保険料の額は国民健康保険なら市町村、後期高齢者医療制度なら広域連合の窓口に問い合わせることができます。

参考資料

太田 彩子