株式市場の振り返り-日経平均株価は反落、一時▲220円超安も徐々に下げ幅を縮小

2019年11月1日(金)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,850円(▲76円、▲0.3%) 反落
  • TOPIX 1,666.5(▲0.5、▲0.03%) わずかに4日ぶり反落
  • 東証マザーズ株価指数 873.9(±0、±0%) 変わらず

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:801、値下がり銘柄数:1,283、変わらず:70
  • 値上がり業種数:11、値下がり業種数:22
  • 年初来高値更新銘柄数:101、年初来安値更新銘柄数:8

東証1部の出来高は12億5,612万株、売買代金は2兆3,870億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。FOMCと日銀金融政策決定会合が終わったことに加え、雇用統計の発表を控えて模様眺めムードが強まりました。ただ、決算発表後の好決算銘柄等を買う動きも見られ、売買代金は2兆4,000億円近い水準を維持するなど、閑散相場には至らなかったようです。

そのような中、日経平均株価は終日マイナス圏での推移となりましたが、底堅さが目立つ展開となりました。米国株の下落を受け、寄り付き直後に一時▲221円安まで下落しましたが、大引け直前には一時▲74円安まで戻す場面が見られました。結局はほぼ高値引けに近い水準で引け、反落となったものの、底堅さが目立つ展開だったようです。

なお、TOPIXも同じような値動きでしたが、最後はわずかにプラス圏に届かず、4日ぶりの反落で終わりました。

東証マザーズ株価指数は変わらず、売買代金は59日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は3,826万株、売買代金554億円となり、概ね前日並みでした。個人投資家の物色意欲が再び減退し、売買代金は59日連続の1,000億円割れとなりました。売買代金1,000億円というのは決して高いハードルではないのですが、それだけ個人投資家のマインド回復が遅れていることを表しています。

また、株価指数は前日比で変わらず引けました。対象銘柄数が少ないとはいえ、個別銘柄ではない株価指数が前日比で変わらないというのは珍しいことです。なお、株価指数は引き続き900ポイント回復を視野に入れる位置をキープしています。

エーザイなど医薬品株が総じて売られ、好決算の任天堂やキーエンスが急騰

個別銘柄では、主力医薬品株が総じて売られ、エーザイ(4523)、塩野義製薬(4507)、第一三共(4568)などが大幅安となり、大日本住友製薬(4506)は▲5%超安の急落となりました。

また、ハイテク株の一角も売られ、ローム(6963)、京セラ(6971)、オリンパス(7733)、HOYA(7741)などが大幅下落となっています。

さらに、ザラバで決算発表を行った住友商事(8053)が直後から急落し、終値も▲6%安に迫る急落でした。

その他では、文科省が大学入試における英語民間試験導入延期を発表したことを受け、ベネッセホールディングス(9783)が大きく値を下げたことが目を引きました。

一方、前日に好決算と株式分割を発表したキーエンス(6861)が一時+10%高の爆騰となり、同じく好決算の任天堂(7974)も+8%高へ急騰し、村田製作所(6981)も大幅高となりました。ただ、この急騰した3銘柄はいずれも日経平均株価の採用対象外であるため、株価指数への寄与は全くなかったようです。

その他では、好決算のパナソニック(6752)が一時+8%高に迫る急騰となり、来週に決算発表を控えたトヨタ自動車(7203)が再び年初来高値更新となったことが目を引きました。

新興市場(東証マザーズ)では、文科省が大学入試における英語民間試験導入延期を発表したことを受け、EduLab(4427)がストップ安の暴落となりました。また、前日にストップ安の中村超硬(6166)が▲20%安に迫る連日の暴落となっています。一方、メルカリ(4385)が反発して引けました。

葛西 裕一