6. 【葬祭費】後期高齢者医療制度の葬祭費は広域連合ごとに額が違う
被保険者が亡くなったときは、葬祭を行った人に葬祭費が支給されます。額は全国一律ではありません。
6.1 葬祭費の額は条例で決まる
高齢者の医療の確保に関する法律では、後期高齢者医療広域連合は、条例の定めるところにより葬祭費の支給などを行うことになっているのです。そのため、額は都道府県ごとの広域連合によって違います。
後期高齢者医療制度の葬祭費の例2/2
出所:広島県後期高齢者医療広域連合「医療給付」、神奈川県後期高齢者医療広域連合「葬祭費」、目黒区「後期高齢者医療葬祭費及び葬祭給付金の支給」を参考にLIMO編集部作成
- 広島県:3万円
- 神奈川県:5万円
- 東京都目黒区:7万円(東京都後期高齢者医療広域連合から5万円、目黒区から2万円)
6.2 東京都では区が上乗せしている例も
目黒区では、広域連合の5万円に区の葬祭給付金2万円を合わせて、7万円が支給されます。葬儀のほか、火葬や散骨なども葬祭として認められます。
なお、後期高齢者医療制度に入る前に会社の健康保険などに入っていた人が、加入から3か月以内に亡くなった場合は、以前の保険から葬祭費などが出ることがあります。この場合、後期高齢者医療制度からは支給されません。
申請できるのは、葬祭を行った日の翌日から2年以内です。広島県や神奈川県の広域連合でも、2年を過ぎると申請できない扱いになっています。
7. 8月に窓口負担割合が変わると高額療養費の計算も変わる
申請して受ける給付の額は、所得区分や窓口負担割合で決まります。保険料の計算を担当していた立場から、気をつけておきたい点をまとめてみました。
7.1 「急に3割になった」という相談
自治体で後期高齢者医療の保険料の計算を担当していた頃、窓口では「急に3割になった」という相談をよく受けてきました。窓口負担割合は前年の所得で決まり、8月1日に切り替わります。
不動産を売った年のように、一時的に所得が増えただけでも割合が変わることがありました。割合が変わると、高額療養費の限度額も変わります。
7.2 3割の月は外来年間合算の計算に入らない
東京都後期高齢者医療広域連合によると、外来年間合算では、計算期間のうち窓口負担が3割だった月の自己負担額は計算の対象外です。基準日は原則7月31日で、その時点で1割か2割の人が対象になります。
年の途中で割合が変わった人は、自分がどの月に何割だったかを、負担割合が書かれた資格確認書などで確かめておくと安心です。分からないときは、住んでいる市区町村の後期高齢者医療制度の担当窓口に問い合わせてみてください。
8. まとめにかえて
後期高齢者医療制度には、高額療養費や高額介護合算療養費、療養費、移送費、入院時の食事代の減額、葬祭費など、申請して受ける給付があります。給付を受ける権利は、2年で時効を迎えます。
高額療養費の限度額は2026年8月診療分から見直され、一般の人の外来は月2万2000円になりました。葬祭費は広域連合ごとに違い、広島県は3万円、神奈川県は5万円、東京都目黒区は区の上乗せを含めて7万円です。
8月診療分で初めて高額療養費の対象になった人には、11月以降に申請書が届きます。申請書やお知らせが届いたら、期限を確かめて早めに出しておきましょう。
対象になるか迷ったときは、市区町村の担当窓口で聞くのが確実です。
参考資料
- 東京都後期高齢者医療広域連合「給付の内容」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「高額療養費」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「高額介護合算療養費」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「療養費」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「移送費」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「入院時食事療養費」
- 神奈川県後期高齢者医療広域連合「高額療養費」
- 広島県後期高齢者医療広域連合「医療給付」
- 神奈川県後期高齢者医療広域連合「葬祭費」
- 目黒区「後期高齢者医療葬祭費及び葬祭給付金の支給」
- e-Gov法令検索「高齢者の医療の確保に関する法律」
太田 彩子