2026年8月診療分から、後期高齢者医療制度の高額療養費は限度額が見直されました。見直し後の限度額で計算した8月診療分の申請書は、11月以降に届き始めます。
後期高齢者医療制度に加入するのは原則75歳以上の人で、65歳から74歳でも、一定の障害の状態にあると広域連合の認定を受けた人は加入します。病院の窓口で払うのは医療費の1割から3割ですが、制度から受けられる給付はそれだけではありません。
高額療養費のほかにも、家族が亡くなったときの葬祭費のように、自分から申請して受け取る給付があります。申請しないまま2年がたつと、受け取る権利は時効で消えてしまうのです。
この記事では、後期高齢者医療制度で申請して受ける主な給付6つを、2026年度の金額と一緒に見ていきます。
1. 【後期高齢者医療制度の給付】申請して受けられるものは主に6つ
後期高齢者医療制度の給付には、病院の窓口で自動的に受けるものと、申請して受けるものがあります。まずは全体を確認しましょう。
1.1 窓口で受ける給付と申請して受ける給付
東京都後期高齢者医療広域連合は、受けられる給付として療養の給付、療養費、高額療養費、高額介護合算療養費、入院時食事療養費、入院時生活療養費、移送費、保険外併用療養費、訪問看護療養費、特別療養費、葬祭費の11種類を挙げています。
このうち、高額療養費や療養費、葬祭費などは、市区町村の窓口に申請して受け取ります。申請して受ける主な給付を6つに絞ると、次のとおりです。
- 高額療養費:1か月の自己負担額が限度額を超えたとき。外来の1年分が年間上限を超えたときも
- 高額介護合算療養費:医療と介護の1年分の自己負担を合わせて基準額を超えたとき
- 療養費:やむを得ず医療費を全額払ったとき、医師の指示で治療用装具を作ったときなど
- 移送費:医師の指示で緊急に移送され、やむを得なかったと認められたとき
- 入院時食事療養費:住民税非課税等の区分Ⅱで、過去12か月の入院が90日を超えたとき
- 葬祭費:被保険者が亡くなり、葬祭を行ったとき
1.2 給付を受ける権利は2年で時効
高齢者の医療の確保に関する法律では、後期高齢者医療給付を受ける権利は、行使できる時から2年で時効によって消滅すると定めています。
いつから2年を数えるかは給付によって違います。たとえば東京都後期高齢者医療広域連合の高額療養費は、原則として診療月の翌月1日から2年間が申請できる期間です。
2. 【高額療養費】1か月の上限を超えた分が払い戻される
高額療養費は、1か月の医療費の自己負担額が限度額を超えたときに、超えた分が払い戻される給付です。2026年8月診療分から限度額が見直されたので、新しい額を確認します。
2.1 2026年8月診療分からの限度額
窓口負担が1割・2割の人の限度額は、所得区分ごとに次のとおりです。外来は個人ごと、外来+入院は世帯ごとに計算します。
- 一般:外来は月2万2000円(年間上限21万6000円)、外来+入院は月6万1500円
- 住民税非課税等の区分Ⅱ:外来は月1万1000円(年間上限9万6000円)、外来+入院は月2万5700円
- 住民税非課税等の区分Ⅰ:外来は月8000円、外来+入院は月1万5700円
窓口負担が3割の現役並み所得の人は、所得に応じて「8万5800円+(医療費−28万6000円)×1%」などの計算式で限度額が決まります。
2.2 8月診療分の申請書は11月以降に届く
神奈川県後期高齢者医療広域連合は、給付の対象になった診療月の3〜5か月後に、申請の案内と申請書を送っています。東京都後期高齢者医療広域連合では、診療月から最短で4か月後です。
どちらも申請が必要なのは初回だけで、次からは指定の口座に自動で振り込まれます。2026年8月診療分で初めて対象になった人には、11月以降に申請書が届く計算です。
2.3 外来の1年分にも上限がある
窓口負担が1割・2割の人は、8月から翌年7月までの外来の自己負担額の合計が年間上限を超えると、超えた分が「高額療養費(外来年間合算)」として払い戻されます。2026年7月31日までの期間の上限は14万4000円です。
2026年8月からの期間は、一般の人は21万6000円、区分Ⅱの人は9万6000円が上限になります。あわせて、外来+入院(世帯ごと)にも年間の上限額が設けられました。
後期高齢者医療制度の給付は、申請書が届いてから動くものが多くあります。市区町村からはがきや封書が届いたら、まず中身を確かめてみてください。
