3. 【高額介護合算療養費】医療と介護の1年分を合わせて払い戻し

医療と介護の両方を使っている世帯には、1年分の自己負担を合わせて払い戻す高額介護合算療養費があります。

3.1 基準額は一般で年56万円

世帯で8月1日から翌年7月31日までに払った後期高齢者医療制度の自己負担額と、介護保険の利用者負担額の合計が、次の基準額を超えると、超えた分が払い戻されます。

  • 現役並み所得Ⅲ(課税所得690万円以上):212万円
  • 現役並み所得Ⅱ(課税所得380万円以上):141万円
  • 現役並み所得Ⅰ(課税所得145万円以上):67万円
  • 一般Ⅱ・一般Ⅰ:56万円
  • 住民税非課税等の区分Ⅱ:31万円
  • 住民税非課税等の区分Ⅰ:19万円

後期高齢者医療制度と介護保険のどちらかの自己負担額が0円の場合や、超えた額が500円以下の場合は対象になりません。

3.2 東京都では毎年3月ごろにお知らせ

東京都後期高齢者医療広域連合では、支給の対象になる人に毎年3月ごろお知らせを送っています。ただし、新たに加入した人や都外から転入した人などには、お知らせが届かない場合もあります。

申請してから支給までは3か月から5か月ほどかかります。介護保険の分は、介護保険から別に支給されます。

4. 【療養費と移送費】全額を払ったときや緊急に移送されたとき

保険証などを持たずに受診して医療費を全額払ったときは、あとから申請すれば一部が戻ってきます。療養費と移送費を見ていきましょう。

4.1 療養費の対象になる主な場面

療養費は、被保険者が医療費などを全額払った場合に、広域連合が認めた分から自己負担分を除いた額が支給される給付です。東京都後期高齢者医療広域連合は、次の場面を挙げています。

  • やむを得ず保険証等を持たずに診療を受けたとき
  • 医師の指示で、コルセットなどの治療用装具を作ったとき
  • 海外に渡航中に治療を受けたとき(治療が目的の渡航は対象外)
  • 輸血のための生血代がかかったとき
  • 骨折やねんざなどで柔道整復師の施術を受けたとき(受領委任以外)
  • 医師が必要と認めたはり・きゅう・あんま・マッサージの施術を受けたとき(代理受領以外)

申請には領収書のほか、場面に応じて医師の証明書や診療内容の明細書などが要ります。

4.2 移送費は救急車では受けられない

移送費は、けがや病気で移動が難しい人が、医師の指示で一時的・緊急的に移送されたときに支給されます。広域連合が「緊急その他やむを得なかった」と認めた場合に限られます。

救急車は無料なので、移送費の対象になりません。通院のように一時的・緊急的と認められない移動も対象外です。

5. 【入院時食事療養費】住民税非課税等で入院が90日を超えたら申請

入院したときの食事代は、1食あたりの標準負担額を払い、残りを広域連合が負担します。住民税非課税等の人は、申請で負担がさらに下がる場合があります。

5.1 2026年6月からの食事代

療養病床以外に入院したときの食事代(1食あたり)は、2026年6月1日から次の額になりました。

  • 現役並み所得・一般:550円
  • 住民税非課税等の区分Ⅱ(過去12か月の入院が90日以内):270円
  • 住民税非課税等の区分Ⅱ(過去12か月の入院が90日超):220円
  • 住民税非課税等の区分Ⅰ:130円

5.2 90日を超えたら自分で申請

区分Ⅱの減額認定を受けていた期間の入院が、過去12か月で90日を超えた場合は、申請が必要です。入院日数が分かる医療機関の請求書や領収書を添えて、市区町村の担当窓口に出します。

1日3食なら、270円と220円の差は1日150円になります。以前に入っていた健康保険で区分Ⅱにあたる認定を受けていた期間の入院日数も、通算できます。