4. 介護保険の給付額減額期間は、認定前10年間の未納の割合で決まる

給付額が減らされる期間は、介護保険法施行令で計算方法が決められています。見るのは、要介護認定を受けた日の10年前の日が属する年度から、認定を受けた年度までの保険料です。

4.1 時効で消えた期間が長いほど、減額の期間も長くなる

施行令は、まず時効で徴収できなくなった保険料の期間(保険料徴収権消滅期間)と、納めた期間(保険料納付済期間)を年数で数えるとしています。そのうえで、給付額減額期間を次の式で求めます。

  • 給付額減額期間(月数)=保険料徴収権消滅期間×(保険料徴収権消滅期間÷〈保険料徴収権消滅期間+保険料納付済期間〉)×2分の1×12

たとえば、10年間すべての保険料が時効で消えていれば、10×(10÷10)×2分の1×12で60か月です。未納が一部であれば、未納の割合に応じて期間は短くなります。月数の端数の扱いは厚生労働省令で定められています。

4.2 滞納分を納めると、償還払いの記載は消える

償還払いへの変更は、滞納している保険料を完納したとき、または滞納額が著しく減ったときなどに、被保険者証の記載が消されます。一方で、時効で消えた期間の保険料はあとから納められないため、給付額減額の期間は納付では短くできません。

5. 介護保険料の給付制限は、災害や生計を支える人の死亡など「特別な事情」があれば行われない

介護保険法の給付制限には、「災害その他の政令で定める特別の事情」がある場合を除くという定めがあります。償還払いへの変更について、介護保険法施行令第30条は特別の事情を次のように定めています。

  • 本人や世帯の生計を主として維持する人が、震災・風水害・火災などで住宅や家財などに著しい損害を受けた
  • 世帯の生計を主として維持する人が亡くなった、または心身に重大な障害を受けたり長期間入院したりして、収入が著しく減った
  • その他これらに準ずる事由として厚生労働省令で定める事由がある

こうした事情で保険料が納められないときは、給付制限がかかる前に、親が住んでいる市区町村の介護保険の窓口へ申し出ることが前提になります。

6. 親の介護保険料の納め方を、決定通知書と介護保険被保険者証で家族と確かめる

普通徴収の期間は、本人が納付書に気づかなければ未納になります。離れて暮らす親の場合は、次の書面を一緒に確かめておくと安心です。

6.1 介護保険料の決定通知書で、天引きか納付書かを見る

市区町村から届く介護保険料の決定通知書には、その年度の保険料額と納め方が書かれています。年金から天引きされる期間と、納付書や口座振替で納める期間が分かれていることもあります。

6.2 介護保険被保険者証の給付制限の欄を見る

給付制限がかかると、介護保険被保険者証に記載されます。文京区は、給付制限が行われる際は介護保険証に記載されると案内しています。要介護認定の結果とあわせて届いた被保険者証は、家族も中身を見ておきたい書類です。

納付書で納める期間がある親には、口座振替に切り替えておくと、納め忘れを防げます。申込みの方法は市区町村によって違うため、決定通知書に書かれた問い合わせ先で確かめましょう。

7. まとめ

65歳以上の介護保険料は、第9期の基準額の全国平均で月6225円です。年金額が年18万円未満の人や、年度の途中で65歳になった人などは、納付書や口座振替で納める普通徴収になります。

滞納が1年以上で償還払い、1年6か月以上で保険給付の一時差し止めとなり、時効で納められない期間があると、要介護認定のときから自己負担が3割または4割に上がり、高額介護サービス費も支給されません。減額の期間は、認定前10年間の未納の割合で決まります。

親が65歳を過ぎたら、介護保険料の決定通知書で納め方を一度確かめてみてはいかがでしょうか。

参考資料