2. 画像流出で、免許証は再交付すべき?
免許証の画像が流出したと知ったとき、「手元の免許証を新しく作り直さなければ危険だ」と考える方は多いのではないでしょうか。ただ、再交付の要件と、再交付によって得られる効果は分けて考える必要があります。
2.1 紛失や盗難とは異なる「画像流出」。特例で受け付ける県も
運転免許証の再交付は、一般に免許証の紛失・盗難、汚損・破損、記載事項の変更、免許の条件の付与・変更などの場合に申請できる手続きです。手元に免許証の現物がある状態で「画像が漏えいした」というケースは、こうした典型的な事由には当たりません。
たとえば滋賀県警察の案内「紛失、盗難、汚損、破損、変更による再交付手続」(2026年6月9日更新)では、典型的な事由に加えて「公安委員会が相当と認めるとき」という項目を挙げています。ただし、例示されているのは元号の変更や臓器提供の意思表示の変更などで、画像の漏えいが該当するかどうかまでは書かれていません。
一方、今回の事案を受けて、漏えいの可能性がある人の再交付申請を特例として受け付ける運用を始めた県があると報じられています。
取り扱いは都道府県ごとに異なるため、窓口へ行く前に、住所地の運転免許センターや警察署へ受付の可否や必要書類を確認しておくと安心でしょう。
報道によると、パーク24も利用者からの問い合わせに対し、住所地を管轄する都道府県警察で手続きを確認するよう案内しているとのことです。
2.2 再交付しても流出画像は消えない。手続きの目的を整理
再交付を検討するうえで押さえておきたいのは、再交付をしても、すでに流出した画像そのものを回収・消去できるわけではないという点です。
報道によると、再交付を受けると免許証番号の末尾や顔写真は新しくなります。しかし、氏名・生年月日・住所といった情報そのものは変わらず、第三者の手に渡った可能性のある画像データがインターネット上から消えるわけでもありません。手元の免許証を新しくしたからといって、流出画像を使った不正行為を直接遮断できるとは限らないのです。
「再交付さえ済ませれば安心」と考えるのではなく、手数料の負担や補償方針の動向なども踏まえて判断することが大切でしょう。
3. 再交付の手数料はいくら?持ち方で変わる金額体系
運転免許証の再交付を受ける場合、窓口で支払う手数料はいくらになるのか、具体的な金額を確認してみましょう。
3.1 手数料は1500円〜2700円。香川県警の例とマイナ免許証の違い
運転免許証の再交付手数料は、都道府県の条例で定められています。
ここでは例として、香川県警察のウェブページ「免許証の再交付申請」で公表されている手数料を確認します(島根県警察の「再交付・再記録」でも同じ金額が示されています)。
手数料は「手続き前の持ち方」と「再交付後に希望する持ち方」の組み合わせによって分かれています。
-
手続き前が「従来の運転免許証のみ」の場合:
- 再交付後も「従来の運転免許証のみ」を希望:2600円
- 再交付後に「免許証とマイナ免許証の2枚持ち」を希望:2700円
- 再交付後に「マイナ免許証のみ」を希望:1500円
-
手続き前が「マイナ免許証のみ」の場合:
- 再交付後に「従来の運転免許証のみ」を希望:2550円
- 再交付後に「免許証とマイナ免許証の2枚持ち」を希望:2650円
- 再交付後も「マイナ免許証のみ」を希望:1500円
※2枚持ちの方が片方のみを紛失した場合などは別の金額が設定されているため、窓口で確認しておきましょう。
従来の運転免許証だけを持っている方が、同じく免許証のみで再交付を受ける場合、手数料は2600円です。
一方、マイナンバーカードと一体化した「マイナ免許証」のみで再交付を受ける場合は1500円で、2600円との差は1100円になります。
なお、これらはあくまで香川県警と島根県警の公表例であり、全国一律の金額とは限りません。
3.2 再交付費用は自己負担か。補償方針の発表を待つ視点
再交付の手数料を巡っては、「企業側の流出なのに、なぜ利用者が自腹で払わなければならないのか」という不満がSNSなどで上がっていると報じられました。
タイムズカーの「ご質問と回答」(2026年10月6日最終更新)では、漏えいに伴う補償について、外部専門機関による調査の結果を踏まえて全体方針を決定する予定としています。
つまり記事執筆時点(2026年10月10日)では、再交付手数料が補償の対象になるかどうかは明らかになっていません。
急いで免許証を新しくしなければならない事情がない場合は、同社からの個別案内や続報を確認してから判断するのも一つの方法です。すでに再交付を受けた方や、すぐに手続きをする方は、念のため手数料の支払いを示す書類を保管しておくとよいでしょう。
自分の運転免許証画像が流出したと知れば、誰しも強い不安を覚え、一刻も早く手元の免許証を作り直したくなるのは無理もありません。
ただ、財布ごと免許証を紛失した場合とは異なり、画像の流出では「手元のカードを新しくしても、流出した画像そのものは消えない」という点を押さえておくことが大切です。窓口に並ぶ前に、まずは企業から届く正式な案内と、お住まいの都道府県警察の受付状況を確認してみてください。
また、こうした混乱の渦中には、「流出の補償金を受け取れる」「再交付の手数料を返金する」などと持ちかけ、個人情報をさらに聞き出そうとする詐欺的な連絡が出てくるおそれがあります。
見知らぬ送信元からのメールや電話には応じず、公式サイトに掲載された正規の窓口から情報を確かめるよう心掛けましょう。
