株式市場の振り返り-日経平均株価は反発、TOPIXは3日続伸で年初来高値更新

2019年10月31日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,927円(+83円、+0.4%) 反発
  • TOPIX 1,667.0(+1.1、+0.1%) 小幅3日続伸
  • 東証マザーズ株価指数 873.9(+3.9、+0.5%) 反発

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:935、値下がり銘柄数:1,145、変わらず:75
  • 値上がり業種数:16、値下がり業種数:17
  • 年初来高値更新銘柄数:189、年初来安値更新銘柄数:3

東証1部の出来高は14億6,215万株、売買代金は2兆7,120億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。注目を集めた金融政策の2大イベント(FOMC、日銀金融政策決定会合)で大きな波乱がなかったことから、リスクオンモードが高まりました。一方で、材料出尽くしという見方も少なくなく、売り買いが交錯する形となりました。

結果的には、特殊要因があった前日より減ったものの、売買代金は2兆7,000億円を上回る水準まで膨らんでいます。特筆すべきレベルには至っていませんが、最近では活況な商いだったと言えましょう。

そのような中、日経平均株価は終日プラス圏で推移しました。ただ、前場の序盤に一時+145円高まで上昇して再び23,000円台回復に迫りましたが、その後は上値が重くなり、一時+32円高まで上げ幅を縮小する場面が見られました。結局、反発で引けたものの、上値の重さを改めて認識させられる結果だったようです。

なお、TOPIXも同じような値動きで3日続伸となり、ザラバで年初来高値を更新しました。日経平均株価に比べて堅調な値動きが目立ったようです。

東証マザーズ株価指数は反発、売買代金は58日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は3,453万株、売買代金579億円となり、いずれも前日より減少しました。個人投資家の物色意欲が再び減退し、売買代金は58日連続の1,000億円割れとなりました。売買代金1,000億円というのは決して高いハードルではないのですが、それだけ個人投資家のマインド回復が遅れていることを表しています。

ただ、株価指数は反発して、引き続き900ポイント回復を視野に入れる位置をキープしています。

ソニーが急騰して年初来高値更新、減益見通し決算の日立製作所は一時▲7%弱安の急落

個別銘柄では、ソフトバンクグループ(9984)が久しぶりに大幅上昇となり、NTTドコモ(9437)とKDDI(9433)も堅調に推移して年初来高値を更新しました。

また、ハイテク株では前日に好決算を発表したソニー(6758)が一時+5%超高の急騰となって年初来高値更新となっています。

さらに、ディフェンシブ銘柄にも見直し買いが入り、セコム(9735)、資生堂(4911)、テルモ(4543)、中外製薬(4519)、アステラス製薬(4503)などが上昇して年初来高値を更新しました。

その他では、前日からの再編をテーマとした自動車部品株の物色傾向が継続し、ホンダ系部品メーカーのケーヒン(7251)、ショーワ(7274)、日信工業(7230)が連日の年初来高値更新となった他、ザラバで決算発表を行ったアイシン精機(7259)が一時ストップ高まで買われたことが目を引きました。

一方、前日の決算発表で減益見通しを公表した日立製作所(6501)が一時▲7%安に迫る急落となり、終値も▲5%超の急落のまま引けました。

また、同じく決算を発表したアドバンテスト(6857)は材料出尽くしから手仕舞い売りに押され、一時▲10%超安の暴落となっています。なお、前日に12年ぶりの高値を付けた富士通(6702)は反落し、急落したNEC(6701)は続落で引けています。

さらに、金融株も総じて利食い売りで下落し、とりわけ、野村ホールディングス(8604)と大和証券グループ本社(8601)の証券株が大幅安となりました。

その他では、前日に通期業績予想を下方修正したコマツ(6301)が大きく値を下げ、サイバーエージェント(4751)は一時▲12%超安の暴落となったのが注目を集めたようです。

新興市場(東証マザーズ)では、ストップ高が続いていた中村超硬(6166)が一転して手仕舞い売りに押され、▲23%超安の暴落となるストップ安で引けました。また、メルカリ(4385)も続落しています。一方、アンジェス(4563)やナノキャリア(4571)など医療バイオ株の一角が大幅上昇しました。

葛西 裕一