3. 高等学校等就学支援金は学校が受け取り、授業料と差し引きされる

就学支援金は、家庭の口座に振り込まれるお金ではありません。都道府県や学校法人などの学校の設置者が生徒本人に代わって受け取り、授業料に充てます。

3.1 授業料が支給上限額を上回る分は家庭で支払う

授業料と就学支援金の差額は、保護者が支払います。私立高校では学校ごとに授業料が違うため、支給上限額の年45万7200円で足りるかどうかは、通う学校の授業料と並べて確かめる必要があります。

3.2 支給が決まるまでは授業料をいったん払う学校もある

学校によっては、就学支援金の支給が決まるまで授業料を徴収し、あとから就学支援金に当たる額を還付する場合があります。経済的に困難な家庭では、授業料の徴収を猶予する措置を利用できる場合もあります。

就学支援金の支給は、原則として申請が行われた月の分からです。学校から書類が届いたら、提出の期限までに手続きを済ませておきましょう。

4. 令和5年度子供の学習費調査で見る、授業料以外にかかる高校の教育費

授業料以外の教育費を、文部科学省の「子供の学習費調査」で見てみます。学習費総額は、保護者が子ども1人のために1年間に支出した教育費の合計です。

4.1 高校(全日制)の学習費総額は公立59万6954円、私立117万9261円

文部科学省は2026年3月に令和5年度の調査結果を訂正しており、訂正後の高校(全日制)の学習費総額は、公立が59万6954円、私立が117万9261円です。私立は公立のおよそ2倍です。

高等学校(全日制)の学習費総額(令和5年度・訂正後)2/2

令和5年度子供の学習費調査による高等学校(全日制)の学習費総額を公立と私立で比べた横棒グラフ。公立59万6954円、私立117万9261円

出所:文部科学省「子供の学習費調査(令和3年度・令和5年度)の公表数値等の訂正」を参考にLIMO編集部作成

この調査は令和5年度の支出を調べたもので、2026年4月の就学支援金の改正より前の数字です。改正後の負担を考えるときは、授業料の部分が変わることを踏まえて見ておく必要があります。

4.2 教科書費や教材費などは高等学校等就学支援金の対象外

就学支援金は授業料に対する支援で、教科書費や教材費などは対象になりません。

こうした授業料以外の教育費には、生活保護世帯や住民税非課税世帯などを対象にした返還不要の「高校生等奨学給付金」という別の制度があります。対象になるかどうかは、住んでいる都道府県の案内で確かめられます。

5. 高校生年代の児童手当は3年間で36万円、進学の準備に分けておく

高校1年生の4月から高校3年生の3月までの3年間に受け取る児童手当は、第1子・第2子で36万円、第3子以降なら108万円です。

授業料の支援が広がり、毎月の家計から出ていく授業料が減った家庭もあるでしょう。その分、児童手当を日々の生活費と混ぜずに別の口座へ移しておくと、進学時の入学金や引っ越しの費用に充てやすくなります。

5.1 児童手当の最後の支給は高校卒業後の4月

高校生年代の児童手当は、18歳になった後の最初の3月31日までの分で終わります。2月分と3月分は4月に支給されるため、最後の支給は高校を卒業した後の4月です。

大学などの入学金は、合格発表から短い期限で納めることがあり、児童手当の最後の支給より前に必要になる場合があります。高校3年生の冬までに必要な額を、手元の貯蓄と分けて確認しておくと慌てずに済みます。

5.2 児童手当と高等学校等就学支援金は申請の窓口が違う

児童手当の申請先は住んでいる市区町村(公務員は勤務先)、就学支援金の申請先は通っている学校です。

引っ越しや転職をしたときは児童手当、進級や転校をしたときは就学支援金と、それぞれの窓口から届く案内を見落とさないようにしておきましょう。

6. まとめ

高校生年代の児童手当は、第1子・第2子で月1万円、第3子以降で月3万円です。2026年4月からは高等学校等就学支援金の所得制限が撤廃され、私立高校(全日制等)の支給上限額は年45万7200円になりました。

就学支援金は授業料に充てられ、教科書費や教材費などは対象外です。授業料の負担が軽くなった分を、高校3年間の児童手当とあわせて進学の準備に回せないか、家計の中で考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子