株式市場の振り返り-薄商いの中で反発。新興市場は5日ぶりの反落も、依然として活況続く

2016年4月12日(火)の東京株式市場は反発となりました。日経平均株価は前日比+1.1%の上昇、TOPIXは+1.5%%の上昇で引けています。一方、東証マザーズ総合指数は▲2.0%の下落となりました。5日ぶりの反落ですが、取引時間中には一時9年1か月ぶりの高値を付ける場面がありました。新興市場は依然として活況のようです。

日経平均株価は、前日比▲31円安で寄り付いた後、すぐに▲57円安まで下落しました。しかし、その後は上昇に転じて前日比プラス圏で推移し、大引け間際に+211円高となる場面が見られました。最後はやや売りに押されましたが、大引けは+177円高の15,928円で終わっています。日経平均株価が前日比+1%超上昇したのは3月22日以来となります。

東証1部で上昇したのは1,331銘柄、値下がり515銘柄、変わらず105銘柄でした。東証1部の出来高は21億3,832万株、売買代金は2兆848億円(概算)となっています。前日ほどの閑散状況ではありませんでしたが、売買代金は2兆円超えがやっとという感じです。

セクター動向と主要銘柄の動き-27業種が小幅上昇、6業種が下落。前日売られたセクターに買戻し

東証1部で上昇したのは27業種、下落したのは6業種でした。上昇率上位は、銀行+5.2%、証券・消費+5.0%、鉄鋼+4.9%、海運+4.0%、輸送用機器+3.4%などでした。一方、下落率が大きかったのは、水産・農林▲1.4%、食料品▲1.1%、陸運▲0.4%、情報・通信▲0.3%、小売▲0.1%でした。前日に大きく売られたセクターに買い戻しが入った印象があります。

個別銘柄では、前日に大幅下落した三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)などのメガバンク株が大幅高となり、りそなホールディングス(8308)も大きく値を上げました。また、円高進行が一服したことを受けて、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)などの自動車株も反発しています。ディフェンシブの医薬品セクターは不振が目立ちましたが、その中で小野薬品工業(4528)が大幅上昇となったのが際立っています。一方、主力株の中では、KDDI(9433)、セブン&アイ・ホールディングス(3382)、ローソン(2651)などが下落し、シマノ(7309)も続落となりました。また、ファーストリティリング(9983)は続伸となりましたが、ザラバでは一時、年初来安値を更新しています。

本日のポイントと注目テーマと関連業種-12日に反発したセクターの深追いは慎重に。医薬品、小売に注目

12日は様子見スタンスが強い中、予想に反して、前日に大きく売られた銀行や輸送用機器が買い戻されました。日経平均株価も久々に+1%超の上昇となりましたが、薄商いが続いており、底上げするようなエネルギーを感じることができません。まだまだ楽観できませんが、好材料が出た銘柄に対しては、相応に反応し始めているようです。

それにしても、円高進行や株安が続いているにも拘らず、安倍首相の動きが静かです。いや、静か過ぎるとも言えましょう。円高・株安を牽制するような発言すら聞こえてこないのは、アベノミクス始動後では初めてではないでしょうか。衆議院補選が近いということもあるのでしょうが、この“沈黙期間”をどう評価するのか、株式市場も戸惑っているかもしれません。期待と不安が交錯する沈黙期間が続くのでしょうか。

そのような中、13日(水)も様子見スタンスが強まると予想されます。12日に急反発した銀行株や自動車株の深追いは少し危険な臭いがします。下値拾いは慎重に行きましょう。逆に、12日は今一つだった医薬品セクターや、決算発表が相次ぐ小売セクターの反発に注目したいと思います。

【2016年4 月12日 投信1編集部】

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LIMO編集部