株式市場の振り返り-日経平均株価は8日ぶり反落、TOPIXは続伸し年初来高値更新

2019年10月30日(水)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 22,843円(▲131円、▲0.6%) 8日ぶり反落
  • TOPIX 1,665.9(+3.2、+0.2%) 小幅続伸
  • 東証マザーズ株価指数 870.0(▲7.2、▲0.8%) 9日ぶり反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:1,341、値下がり銘柄数:757、変わらず:55
  • 値上がり業種数:21、値下がり業種数:12
  • 年初来高値更新銘柄数:212、年初来安値更新銘柄数:3

東証1部の出来高は17億9,256万株、売買代金は3兆3,795億円(概算)となり、いずれも前日より大幅に増加しました。FOMCや日銀金融政策決定会合など月末のイベントなどを控え、基本的には様子見スタンスが強まりました。

ただ、TOPIXの浮動株比率調整に伴う定期的(毎年10月末)な売買が発生し、売買代金が約+1兆3,000億円程度嵩上げされた模様です。このような特殊要因はあったものの、結果的に売買代金は今年最高を記録しました。

そのような中、日経平均株価は終日マイナス圏で推移しました。前日まで7日続伸を記録したこともあり、相当数の利益確定売りが出たと見られ、後場の終盤には一時▲147円安まで下落する場面も見られました。結局、8日ぶりの反落となりましたが、大きく下押しすることはなかったようです。

なお、TOPIXは前述した浮動株比率リバランスの売買により、ザラバでは年初来高値を更新するなど、最後は続伸で終わりました。

東証マザーズ株価指数は9日ぶり反落、売買代金は57日連続で1,000億円割れ

東証マザーズの出来高は4,756万株、売買代金787億円となり、いずれも前日より増加しました。前日に続いて個人投資家の物色意欲がやや回復しましたが、売買代金は57日連続の1,000億円割れとなりました。売買代金1,000億円というのは決して高いハードルではないのですが、それだけ個人投資家のマインド回復が遅れていることを表しています。

また、株価指数も下落して今年初の9連騰はなりませんでした。ここから再び900ポイント回復を目指していくのか注目です。

富士通が急騰して約12年ぶりの高値、統合報道のホンダ系部品会社は軒並みストップ高

個別銘柄では、前日に実質的な大幅増益決算を発表した富士通(6702)が一時+8%高に迫る急騰となって年初来高値を更新し、約12年ぶりの高値を付けました。一方、同じく前日に決算発表を行ったNEC(6701)は業績予想の据え置きが失望され、一時▲7%安に迫る急落となって明暗が分かれています。

また、自動車関連では、ホンダ(7267)と日立製作所(6501)における自動車部品メーカーの統合に関する観測報道を背景に(注:引け後に正式発表)、ホンダ系部品メーカーのケーヒン(7251)、ショーワ(7274)、日信工業(7230)がいずれもストップ高で引けました。ただ、ホンダは値を下げ、日立製作所は高値更新後に売りに押されて下落しています。

なお、前日まで連日で年初来高値を更新してきた半導体関連のハイテク株は軒並み利食い売りに押され、オムロン(6645)、TDK(6762)、アドバンテスト(6857)、SUMCO(3436)などいずれも大幅下落となりました。

また、金融株も総じて売られ、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は8日ぶりに反落しています。

その他では、前日に決算発表を行ったシマノ(7309)が一時+11%超高へ爆騰し、トヨタ自動車(7203)は3日連続の年初来高値更新となったことが目を引きました。

新興市場(東証マザーズ)では、中村超硬(6166)が3日連続でストップ高まで買われました。一方、メルカリ(4385)は4日ぶりに反落して引けています。

葛西 裕一