4. 里親や施設が受け取る児童手当の額は年齢の区分だけで決まり、第3子以降の月3万円の算定はない
施設等受給資格者に支給される児童手当の額は、父母などが受け取る場合とは計算の仕方が違います。児童手当法第6条第1項第3号の定めを確認します。
4.1 3歳未満は1人月1万5000円、3歳以上は1人月1万円
施設等受給資格者の児童手当は、3歳以上の施設入所等児童の数に1万円を掛けた額と、3歳未満の施設入所等児童の数に1万5000円を掛けた額を合わせた額です。
父母などが受け取る場合のような第3子以降の月3万円の算定は、施設等受給資格者の児童手当の計算式には入っていません。同じ里親に3人の子どもが委託されていても、それぞれの年齢区分の額で計算されます。
4.2 高校生年代の1万761人は令和6年10月分から対象に加わった
年齢の区分別に見ると、施設等受給資格者の支給対象の子どもは次のとおりです。
【令和5年度】
- 0歳から3歳未満:2845人
- 3歳以上中学校修了前:3万940人
- 合計:3万3785人
【令和6年度】
- 0歳から3歳未満:2993人
- 3歳以上中学校修了前:3万133人
- 中学校修了後・高校生年代:1万761人
- 合計:4万3887人
令和5年度から合計で1万102人増えました。高校生年代が新たに1万761人加わった一方で、3歳以上中学校修了前は807人減っています。
5. 子どもが施設に入所したり家庭に戻ったりしたら、父母の児童手当の手続きが必要になる
里親への委託や施設への入所が決まると、その子どもは父母が受け取る児童手当の対象から外れます。家庭に戻ったときは、父母が改めて手続きをすることになります。
5.1 子どもが入所すると、父母の児童手当はその子の分が減る
父母などが受け取る児童手当の対象は「施設入所等児童以外の児童」です(児童手当法第4条第1項第1号)。子どもが施設に入所したり里親に委託されたりすると、その子の分は父母の児童手当から外れます。
児童手当の額が減るときは、その事由が生じた日の属する月の翌月から額が改定されます(同法第9条第3項)。児童手当を受け取っている人は、内閣府令で定める事項を市区町村長に届け出ることとされているので、入所が決まったら市区町村の窓口に必要な届出を確かめておきます。
5.2 家庭に戻ったら、父母の認定請求は請求した月の翌月分から
子どもが家庭に戻り、父母が児童手当を受け取る場合は、父母が改めて認定請求をします。児童手当の支給は、原則として認定請求をした日の属する月の翌月から始まります(同法第8条第2項)。
収入の柱が1つ変わるときは、変わる月を書き出しておくと見通しが立てやすいでしょう。子どもを引き取る日が決まったら、その月のうちに請求できるよう、必要な書類を早めに市区町村に確認しておくと安心です。
5.3 施設入所等児童でなくなった子どもには、未支払の児童手当を本人に支払える
児童手当法第12条第2項は、施設入所等児童でなくなった子どもについて、施設等受給資格者にまだ支払っていなかった児童手当があるときは、その子ども本人に支払うことができると定めています。この場合、施設等受給資格者に支給があったものとみなされます。
6. まとめ
児童手当は父母が受け取るのが原則ですが、里親や児童養護施設などのもとで暮らす子どもの分は、里親や施設の設置者が受け取ります。令和6年度の児童手当事業年報では、施設等受給資格者は7387、支給対象の子どもは2月末現在で4万3887人でした。
里親や施設が受け取る児童手当は、3歳未満が月1万5000円、3歳以上が月1万円で、第3子以降の月3万円の算定はありません。子どもが入所したときや家庭に戻ったときは、父母の側の届出や認定請求が必要になります。
子どもの暮らす場所が変わる予定があるときは、市区町村の児童手当の窓口で、手続きの時期と必要な書類を確かめてみてはいかがでしょうか。
参考資料
宮野 茉莉子