児童手当は、偶数月に前月までの2か月分がまとめて支給されます。12月の支給では、10月分と11月分が振り込まれます。

受け取るのは多くの場合、子どもを育てている父母です。一方で、里親や児童養護施設などのもとで暮らす子どもの児童手当は、児童手当法の定めにより、里親や施設の設置者が受け取ります。

こども家庭庁が2026年4月15日に公表した「令和6年度 児童手当事業年報」によると、こうした子どもは令和6年度の2月末現在で4万3887人でした。

この記事では、児童手当の月額と受給者の決まり方を確認したうえで、里親や施設が受け取る児童手当の対象と人数を、年報の数字と法律の条文から整理します。

1. 児童手当は高校生年代まで。3歳未満は月1万5000円で第3子以降は月3万円

まずは児童手当の月額と支給の時期を確認します。令和6年10月分から、支給対象は高校生年代まで延び、所得制限はなくなりました。

1.1 児童手当の月額は年齢と子どもの順番で決まる

児童手当の対象は、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの子どもです。父母などが受け取る場合の月額は次のとおりです。

  • 3歳未満:1万5000円
  • 3歳以上高校生年代まで:1万円
  • 第3子以降:3万円(年齢にかかわらず)

1.2 児童手当の支給は年6回、12月は10月分と11月分

児童手当は、2月・4月・6月・8月・10月・12月の年6回、それぞれ前月までの2か月分が支払われます。12月に支給されるのは10月分と11月分です。具体的な支給日は市区町村などによって異なります。

2. 児童手当を受け取るのは父母が原則。里親や児童養護施設で暮らす子どもの分は里親や施設が受け取る

児童手当を誰が受け取るかは、児童手当法第4条に定められています。子どもがどこで、誰と暮らしているかによって受け取る人が変わります。

2.1 父母が受け取るときは「生計を維持する程度の高い人」

児童手当は、子どもを監護し、生計を同じくする父母などで日本国内に住所がある人に支給されます。父母がともに子どもを育てている場合は、生計を維持する程度の高い人が受け取ります。

2.2 里親やファミリーホーム、施設に委託・入所している子どもの分は里親や設置者へ

里親に委託されている子どもや、児童養護施設などに入所している子どもは、児童手当法で「施設入所等児童」とされます。この子どもたちの児童手当は、父母ではなく、次の人が受け取ります(児童手当法第4条第1項第4号)。

  • 里親
  • ファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)を行う人
  • 自立援助ホームなどで児童自立生活援助を行う人
  • 乳児院・児童養護施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設、障害児入所施設などの設置者

内閣府令で定める短期間の委託や入所は除かれます。受け取る人は「施設等受給資格者」と呼ばれ、里親は住所地の市町村長、施設は所在地の市町村長の認定を受けます(同法第7条第2項)。

3. 令和6年度に里親や施設が受け取った児童手当、対象の子どもは4万3887人

令和6年度の児童手当事業年報で、施設等受給資格者の数と、その支給対象になった子どもの数を見ていきます。いずれも2月末現在の数です。

3.1 支給対象の子どもが最も多いのは児童養護施設の2万1617人

里親や施設が受け取る児童手当の支給対象児童数(令和6年度・2月末現在)1/2

施設等受給資格者の区分別に、児童手当の支給対象児童数を示した横棒グラフ。合計4万3887人で、児童養護施設2万1617人、障害児入所施設7390人、里親6317人、乳児院2469人、ファミリーホーム1965人、児童自立支援施設1550人、児童心理治療施設1264人、児童自立生活援助を行う者623人、指定発達支援医療機関416人、障害者支援施設227人、その他49人

出所:こども家庭庁「令和6年度 児童手当事業年報」表4をもとにLIMO編集部作成

  • 児童養護施設:2万1617人
  • 障害児入所施設:7390人
  • 里親:6317人
  • 乳児院:2469人
  • ファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業を行う者):1965人
  • 児童自立支援施設:1550人
  • 児童心理治療施設:1264人
  • 児童自立生活援助を行う者:623人
  • 指定発達支援医療機関:416人
  • 障害者支援施設:227人
  • 母子生活支援施設:26人
  • 日常生活支援住居施設:17人
  • 更生施設:4人
  • 救護施設:2人
  • のぞみの園・女性自立支援施設:0人

合計は4万3887人で、令和5年度の3万3785人から1万102人増えました。

3.2 施設等受給資格者は7387、このうち里親は4873人

児童手当を受け取る施設等受給資格者の数は、令和6年度で7387でした。里親が4873人で最も多く、児童養護施設が906、ファミリーホームが525、障害児入所施設が443と続きます。

施設等受給資格者に支払われた児童手当は、令和6年度で44億3334万円でした。

里親や施設のもとで暮らす子どもの児童手当は、児童手当法の定めにより里親や施設の設置者が受け取り、令和6年度の2月末現在で4万3887人が対象でした。最も多いのは児童養護施設の2万1617人です。

子どもを育てている人が誰で、子どもがどこで暮らしているかによって、児童手当の受給者は変わります。自分の家庭の受給者が誰になっているかは、市区町村の児童手当の窓口で確かめられます。

ここからは里親や施設が受け取る児童手当の額の決まり方と、子どもが施設に入ったり家庭に戻ったりしたときの手続きを見ていきます。

宮野 茉莉子

児童手当は、子どもがどこで暮らしているかで受け取る人が変わります。子どもの入所や家庭への引き取りが決まったら、家計の見通しとあわせて、手当の手続きの時期も確かめておきましょう。