では、年収1000万円を目指すことができる業種には、どのようなものがあるのでしょうか。
有価証券報告書を見てみると、三菱商事・三井物産・伊藤忠商事などの大手総合商社は、1000万円以上の平均年間給与所得を誇っています。こういった強みが、就職先として人気のある理由でもあるのでしょう。
また、国税庁の調査の結果、平均給与が最も高い業種は「電気・ガス・熱供給・水道業」と示されています。平均給与が769万円なので、年収1000万円以上に到達している人もたくさんいると考えられるでしょう。
そして、その次に平均給与が高いのは、平均給与626万円の「金融業、保険業」でした。
(LIMO内参考記事:「【最新版】年収別でみる給料が高い「上場企業」一覧」)
ただ、年収と実力はイコールではない
さて、ここで話を元に戻しましょう。Oさんの言葉に、Mさんは非常に驚きました。「だって今の年収は、私の実力によるものでしょう?それを希望条件として何が悪いのですか?」
Oさんは答えます。『いえいえ、希望年収を1000万円にしたことが悪いのではありません。問題なのは、Mさんご自身が、それを今の自分の値段だとおっしゃっている点です』
今の年収を見て、「自分の実力はこのぐらいなのか」と判断してはいませんか?たしかに、職場での評価や成果によって年収が変動することもあるでしょう。ただし、年収があなたの実力をそのまま表しているのではありません。
先ほどご紹介した通り、平均年収は業種によって大きく異なります。個人のスキルや能力というより、どういった業界で働いているかが年収を左右しているともいえるでしょう。
もしかすると、同じ人でも、業界が変われば年収が大きくアップするかもしれませんし、逆に低くなるかもしれないのです。「あの人は高年収だから優秀だ」と決めつけるのは早計といえるかもしれません。
まとめ
どんな業界でも、頑張れば年収1000万円になるというものではないようです。また、年収1000万円の手取りが700万円ほどと聞き、「そこまで贅沢はできなさそうだ」と感じた人も多いのではないでしょうか。実際に、扶養家族が多い家庭になると、なかなか余裕を感じられないというケースも少なくないようです。
Oさんとの面談との後、Mさんは「年収1000万円なら業種も業界もこだわらない」という年収のみを前面に押し出した転職先選びはやめ、今は、業種や業界含めて、自分自身の強みを活かせる仕事を探すところから始めているそうです。
【参考】
「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」国税庁
LIMO編集部