障害者手帳を持っていると、税金や暮らしの費用が軽くなる制度があると聞いても、「実際にいくら違うのか」までは分かりにくいものです。
10月は、会社員にとって年末調整の書類を準備し始める時期でもあり、障害者控除を忘れずに申告したいタイミングです。
国税庁などの資料をもとに計算すると、障害者控除だけでも、条件によっては所得税と住民税を合わせて年間で数万円から20万円ほど税金が軽くなる試算になります。
この記事では、障害者手帳で受けられるお金の支援を「税金」「暮らしの割引」「将来の備え」の3つに分け、それぞれの金額と条件を整理します。
1. 障害者手帳の種類と「特別障害者」の範囲|支援の金額は区分で変わる
お金の支援は手帳の種類や等級によって変わるため、先に区分の考え方を確認しておきましょう。
1.1 手帳は「身体」「療育」「精神」の3種類
障害者手帳には、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の3種類があります。
このうち療育手帳は、自治体によって名称や区分が異なります。
1.2 税金では「障害者」と「特別障害者」に分かれる
国税庁によると、所得税の障害者控除では、控除額が「障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」の3区分に分かれています。
特別障害者に当たるのは、身体障害者手帳で障害の程度が1級または2級と記載されている人と、精神障害者保健福祉手帳で障害等級が1級の人です。
療育手帳については、自治体の資料で、重度の区分が特別障害者とされています。
また、65歳以上で、市町村長などから障害者に準ずると認定を受けている人は、手帳がなくても控除の対象になります。
2. 支援の全体像|お金の支援は「税金」「暮らしの割引」「将来の備え」の3つ
手帳があると受けられる主なお金の支援は、大きく3つに分けられます。
1つ目は、所得税や住民税が軽くなる「税金」の支援で、毎年の負担に直接かかわります。
2つ目は、NHK受信料の免除や、JR・高速道路の料金割引など、日々の支出を抑える「暮らしの割引」です。
3つ目は、相続税や贈与税の特例、非課税の貯蓄制度といった「将来の備え」にかかわる支援です。
次のページでは、それぞれの条件と金額を、具体的な試算とあわせて見ていきます。